日 時: 2018年2月1日(木)14:00-16:00
会 場: 東京大学 東洋文化研究所 3階 大会議室
題 目: 「台湾外交」の形成をめぐって
発表者: 清水 麗(東洋文化研究所・特任准教授)
司 会: 松田 康博(東洋文化研究所・教授)
使用言語:日本語
概 要:
1949年以降すでに70年に近く中台関係は台湾海峡をはさみ分離状態が続いているが、「一つの中国」をめぐって着地点は見えていない。台湾が民主化し自立性を主張しはじめた後、日本をはじめ各国はその台湾と国際社会でどのように付き合うかという課題に直面、すでに30年近くの模索が続いている。台湾は、国際的には国家としての承認を十分には得られないまま、実質上は国家として行動し存在してきた。そうした台湾の特殊な状況は、いかにして生まれ、また、そのような状況でなぜ国際社会で生き残ることが可能となったのか。
中国の正統政府としての「中華民国外交」は、形式上・表面上は大きな変更のないままに、70年代初期以降実際の外交行動様式を変化させてきた。そして、その具体的な外交の実践の積み重ねの結果、台湾として存在の空間を確保し、台湾としての認知を求める「台湾外交」が成立する。本報告では、台湾側の資料の分析を通じて、1990年代以降の外交の枠組みの変化に先立ち生じた実質的な行動様式の変化に注目する。
担当:清水