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教員の著作が刊行されました
高尾賢一郎, 後藤絵美, 小柳敦史 編 『宗教と風紀——〈聖なる規範〉から読み解く現代』(岩波書店)

編者による紹介

 本書では、風紀を、ある社会においてなされるべきと期待される「当為の法則」の「総体」として定義しました。それは、法律や規律など文章化されたルールと、マナーや常識など書かれていない暗黙のルールの両方から成っています。
  風紀を描き出すことは容易ではありません。文章化されたルールについていえば、その内容を的確に理解し表現するためには、それが生じた経緯や、ルールとして社会の中で機能している(機能していない)状況、さらにはルール上の変更を含めた文脈を把握しておく必要があるでしょう。暗黙のルールのうち、「マナー」や「常識」といわれるものは、どの範囲で通用するものなのかを常に問わなければなりません。そして最近、よく耳にするのが「空気」という表現です。これを論理の積み重ねによって説明することはほとんど不可能です。見えないもの、語り得ないものだからこそ「空気」と呼ばれるとさえ言われています。
   このようなさまざまなルールからなる「風紀」と、〈聖なる規範〉と呼び変えうる「宗教」との関りに注目したのが本書です。各執筆者は、エジプトやイラン、ウズベキスタン、中国、フランス、ドイツ、サウジアラビア、アメリカ、日本、そして「イスラーム国」と呼ばれる異なる社会において、どのようなルールが、いかにしてつくられ、守られ、そして破られてきたのかを生き生きと描き出しています。


目次等、詳細情報は教員の著作コーナーに掲載した記事をご覧ください。



登録種別:研究活動記録
登録日時:MonFeb813:35:102021
登録者 :後藤・田川・野久保(撮影)・藤岡
掲載期間:20210209 - 20210508
当日期間:20210208 - 20210208