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「成均館大東アジア学術院、東京大学東洋文化研究所、京都大人文科学研究所 共同主催 2019年 シンポジウム」が開催されました

報告

 2019年1月22日(火)、韓国の成均館大学において、成均館大学東アジア学術院・京都大学人文科学研究所・東京大学東洋文化研究所共催による「合同シンポジウム2019」が開催された。これに2016年より特別参加をしている延世大学国学研究院を加えた4つの研究所から各2名の報告者と討論者が参加した。
 今回の共同テーマは「アジアの女性」で、その趣旨は以下の通りである。
 「韓国では、2016年5月にソウルの江南駅周辺で発生した女性殺害事件を受けて、女性差別と女性嫌悪をめぐる論争が巻き起こされ、現在も続いている状態です。その背景に、景気減速による激しい競争や失業率の上昇という社会状況があることはたしかですが、それ以外にも特定の時空間における女性の役割への認識や期待があると思われます。そこで、今回は女性をテーマにアジア社会を俯瞰してみるという企画を立てました。」
 東洋文化研究所からは、真鍋祐子教授が「富山妙子の絵画にみる女性の身体表象とシャーマニズム」、後藤絵美准教授が「エジプト女性運動の「長い20世紀」―連帯までの道のり」と題した報告を行い、東アジアから北アフリカまでを射程に収める当研究所の独自色を打ち出すものとなった。また長澤榮治教授と米野みちよ准教授が討論者として参加し、桝屋友子所長が閉会のあいさつを行なった。
 近年の「#Me Too」運動の盛り上がりにみるように、「アジアの女性」というテーマは極めて現在的なものであり、各報告者の発表はもとより、司会を務めた成均館大学の任佑卿助教授の各報告に対する丁寧なコメントを織り込んだ進行と、各討論者を交えての力のこもった質疑応答によって、予定時間を大幅に超過しながらも非常に充実した学術交流の機会となった。
 なお、詳細なプログラムは以下(開催情報)の通りである。

当日の様子

開催情報

【日時】 2019年1月22日(火)

【場所】 成均館大学国際館地下1階 9B113号

【テーマ】 「アジアの女性」

プログラム

⒑:00~⒑:30 開会式
韓基享(成均館大学東アジア学術院院長)
高木博志(京都大学人文科学研究所所長)

1. 発表
司会 任佑卿(成均館大学)

10:30~10:50 目黒杏子(京都大学)「漢代における後宮女性の生き方」

10:50~11:10 河炅心(延世大学)「中国の伝統劇における女性英雄像の誕生と変容」

11:10~11:20 休憩

11:20~11:40 崔基淑(延世大学)「朝鮮時代の女性[文化/文学/史]の拡張的再構築のための(脱)神話化装置」

11:40~12:00 真鍋祐子(東京大学)「富山妙子の絵画にみる女性の身体表象とシャーマニズム」

12:00~13:30 昼食

13:30~13:50 朴昭賢(成均館大学)「法廷に立った女性たち―法律アーカイブと東アジア女性史研究」

13:50~14:10 田中雅一(京都大学)「貞淑な女性とふしだらな女性」

14:10~14:20 休憩

14:20~14:40 朴利鎮(成均館大学)「皇后の表象とジェンダー」

14:40~15:00 後藤絵美(東京大学)「エジプト女性運動の「長い20世紀」―連帯までの道のり」

1. 個別討論・総合討論
司会 宮嶋博史(成均館大学)
15:20~17:20 文貞喜(延世大学)、米野みちよ(東京大学)、長澤榮治(東京大学)、李恵鈴(成均館大学)、高井たかね(京都大学)、申知瑛(延世大学)、石井美保(京都大学)、鄭勝振(成均館大学)

17:20~ 閉会式
桝屋友子(東京大学東洋文化研究所所長)
辛炯基(延世大学国学研究院院長)

担当:真鍋、桝屋



登録種別:研究活動記録
登録日時:MonFeb413:19:312019
登録者 :真鍋・桝屋・藤岡
掲載期間:20190122 - 20190422
当日期間:20190122 - 20190122