News

第187回 東文研・ASNET共催セミナー「東アジアにおける楊慎「六朝学」研究――日本収蔵の中国明代文献を中心にして」のお知らせ

 以下の通り、第187回目の東文研・ASNET共催セミナーを開催します。

日時:2018年12月13日(木)17:00-18:00

会場:東京大学 東洋文化研究所 1階 ロビー

報告者:林玟君氏(台湾師範大学国文学系博士課程、日本台湾交流協会フェローシップ招聘研究者、東京大学東洋文化研究所訪問研究員)

コメンテーター:大木康氏(東京大学東洋文化研究所・教授)※当日は主催者側がコメントを代読

題名:東アジアにおける楊慎「六朝学」研究――日本収蔵の中国明代文献を中心にして

使用言語:日本語(一部英語・中国語あり)

要旨:
 本研究は、日本に収蔵されている中国明代文献を中心として、明朝の状元楊慎が、六朝の文学を如何に遡り構築していったのかについて論じる。楊慎「六朝学」 は、同時代とは異なる新たな文学伝統を提出していったが、同時に伝統文学を自覚的に選択し、例えば、中国歴代の經史子集の中では、南朝梁の昭明太子によって編纂 された詩文選集『文選』と劉勰が著した文学理論書『文心雕龍』に対してのみ親近感を表す。中国最古の文学である「詩」の中では、南朝「五言」に偏重している。ま た子部の中では、漢魏よりは六朝、とりわけ書、画「風流」の美に心を寄せる。楊慎の文学および文化傾向を一言で表現すれば、文人の心は遥かに『詩経』『楚辞』と 相通じ、近くは六朝を承け、南朝文学の伝統をさらに深く継承するものと言える。本研究は、楊慎の著作のテキストを考証し、作品を分析することにより、六朝文学と 楊慎の文学理論の関係という新たな文学モデルを描き出し、また作者が自覚的に六朝文学の伝統を選択した原因について検討する。

問い合わせ:asnet[at]asnet.u-tokyo.ac.jp



登録種別:研究会関連
登録日時:MonDec313:46:262018
登録者 :asnet事務局・田川
掲載期間:20181203 - 20181213
当日期間:20181213 - 20181213