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U I Aシンポジウム 「世界史のなかの南明 」が開催されました

報告

   本シンポジウムは、東アジア藝文書院(EAA)のU I Aシンポジウムとして、「世界史のなかの南明」をテーマに、明清交替期における南明の歴史的意義を、中国一国の枠組みにとどまらず、東アジア及び世界史的な視点から検討した。
   午前の部では、徐興慶氏による基調講演が行われた。徐氏は、朱舜水をはじめとする南明遺民を、単なる「亡国の民」ではなく、思想・宗教・文化を東アジア各地に伝えた担い手として捉える視点を示した。また、今後の研究枠組みとして「Southern Ming and Ming Loyalist Studies」を提唱し、南明研究をより国際的・学際的に展開していく必要性を指摘した。
   あわせて、南明関係史料の展示、呉雨桐氏による東皐心越に関係する古琴の解説・演奏が行われた。また、天候の都合により現地見学は行わず、小島毅氏による解説映像を会場で上映し、東京大学弥生キャンパスにある「朱舜水先生終焉之地」について紹介した。
   午後の部では、Tham, Chui-Joe氏が朝鮮・日本の歴史書における「明朝」の認識、劉明鍇氏が尊経閣文庫所蔵の南明刊本と明代祖訓、王兆珅氏が19世紀後半以降の韓国における明遺民集団と朝宗岩大統廟、松野敏之氏が永暦朝廷における後宮の洗礼について、それぞれ報告した。歴史叙述、政治制度、歴史記憶、宗教など多様な角度から、南明をめぐる人・書物・思想の越境的な広がりが明らかにされた。
   最後に、伊東貴之氏による総括・コメントの後、質疑・自由討論が行われた。漢文史料と欧文史料の比較、大統廟と中華人民共和国との関係、明遺民と東南アジアとのつながりなど、多岐にわたる論点について活発な意見交換がなされた。
   本活動は、『中國時報』をはじめとする台湾の十数社のメディアに取り上げられ、南明研究に対する社会的関心の広がりを示す機会ともなった。研究成果を学界の内外に広く発信するという点でも、大変意義深い反響であった。
   以下に、その一例として『中國時報』の報道記事へのリンクを掲載する。
https://turnnewsapp.com/ct-featured/412820.html
(出典:中國時報ホームページ)

 

当日の様子

   会場では南明関係の古籍・史料や朱舜水関係資料も展示され、休憩時間にも多くの参加者が資料を手に取りながら交流する姿が見られた。海外からのオンライン報告を含め、研究発表、史料展示、古琴演奏、見学解説を組み合わせた多面的な企画となり、南明を世界史のなかで捉え直す有意義な機会となった。
【参加人数】対面:70名以上 オンライン(関係者のみ):20名以上

 

開催情報


タイトル:UIAシンポジウム 「世界史のなかの南明」
日時:2026年8月11日(火)10:00〜17:00
場所:東京大学 東洋文化研究所 大会議室(3階)
言語:日本語・中国語

プログラム:
受付開始 9:30-
午前の部 10:00-12:30
・総合司会・趣旨説明:顧嘉晨(東京大学・特任研究員)
・開会挨拶:柳幹康(東京大学・准教授/EAA本郷オフィス長)
・基調講演:徐興慶(台湾・中国文化大学・講座教授)
「南明遺民から見る東アジア文明発展史――三十年の研究視野の再定位」
・イベント:
(1)特設コーナー:南明関係史料展示
(2)古琴演奏(東皐心越の曲) 呉雨桐(東京大学・博士課程)
(3)見学・朱舜水先生終焉の地 小島毅(東京大学・教授)解説
午後の部 14:00-17:00
・報告1:Tham, Chui-Joe タム・チュイ・ジョー(ブリティッシュコロンビア大学・PD)
「17世紀から18世紀初期までの朝鮮・日本の歴史書にみる「明朝」」
・報告2:劉明鍇(九州大学・博士課程)
「明代祖訓の展開:『皇明祖訓』と『祖訓条章』――尊経閣文庫蔵南明刊本を手掛かりに」
〈休 憩〉
・報告3:王兆珅(エルサレム・ヘブライ大学・PD)
「19世紀後半以降の韓国における明遺民集団と朝宗岩大統廟」
・報告4:松野敏之(国士舘大学・教授)
「永暦朝廷における後宮の洗礼」
・総括・コメント:伊東貴之(国際日本文化研究センター・教授) 
・質疑・自由討論



登録種別:研究活動記録
登録日時:MonAug1714:21:142026
登録者 :柳・顧・神林
掲載期間:20260819 - 20261118
当日期間:20260811 - 20260811