研究プロジェクト「ムハンマド一族をめぐる諸言説に関する研究」(科研費基盤研究Bおよび東洋文化研究所班研究)では、科研費基盤研究A「イスラームおよびキリスト教の聖者・聖遺物崇敬の人類学的研究」(代表:赤堀雅幸)などの協賛を得て、下記の要領でシンポジウムをオンライン開催します。
日時:2021年9月18日(土) 9:30-18:00
参加方法:Zoomを使用したオンライン開催となります。参加を希望される方は、下記のオンライン登録フォームにてお申し込みください。
登録締切は9月16日(木)12時(正午)とします。
https://forms.gle/RnADkX9E3deEeCKm6
概要:
「預言者一族」とは誰か。彼らはどう特別なのか。彼らの果たすべき役割とは何か。本シンポジウムは、「預言者一族」をめぐるこのような諸問題が、宗教的・政治的・社会的文脈を異にするムスリムによってどのように論じられてきたのかを、多様な地域と時代に取材した10本の事例研究を通じて検討する。本シンポジウムが目指すのは「預言者一族」概念に関する理解の深化だけではない。諸種の「預言者一族」論の具体的な文脈への定位を通じて語り手たちについての理解を新たにすることも、本シンポジウムの重要な目標である。
プログラム
9:30-9:40 趣旨説明
9:45-11:30 パネル Ⅰ「ムハンマド一族論三態:インドネシア、イラン、中国より」
〇新井和広(慶應義塾大学商学部教授)「現代インドネシアにおける「お家の人々」の美徳:アブドゥッラー・ビン・ヌーフほかの議論から」
〇森本一夫(東京大学東洋文化研究所教授)「現代イランにおける大衆向けサイイド論」
〇中西竜也(京都大学人文科学研究所准教授)「生まれながらにして神霊:聖裔を超えたサイイド・アジャッル」
(休憩50分)
12:20-13:30 パネル II「ムハンマド一族と女性・ムハンマド一族の女性」
〇河原弥生(東京大学附属図書館准教授)「中央アジアの女系サイイドに関する系譜書」
〇白谷望(愛知県立大学外国語学部准教授)「現代モロッコにおける女性王族の政治的役割」
(休憩10分)
13:40-14:50 パネル II「イスラーム初期史解釈との相関」
〇森山央朗(同志社大学神学部教授)「シャーフィイー派「ハディースの徒」にとってのアリー(家)」
〇二宮文子(青山学院大学文学部教授)「15世紀北インドにおける呪詛をめぐる議論:ダウラターバーディー作『サイイドたちの美徳』より」
(休憩20分)
15:10-16:55 パネルIII「十二イマームの位置づけ」
〇吉田京子(神田外国語大学グローバル・リベラルアーツ学部准教授)「12イマーム・シーア派のイマーム論における「サイイド」像:アブドゥル・アズィーム・ハサニーの事例を中心に」
〇杉山隆一(東京大学東洋文化研究所特任研究員)「サファヴィー朝最末期におけるイマーム・レザーの奇蹟譚をめぐって」
〇水上遼(東京大学東洋文化研究所特任研究員)「スンナ派の十二イマーム崇敬とマフディー」
(休憩10分)
17:05-18:00 総合討論
主催:研究プロジェクト「ムハンマド一族をめぐる諸言説に関する研究」(科研費基盤研究B・東京大学東洋文化研究所班研究、代表:森本一夫)
協賛:
・科研費基盤研究A「イスラームおよびキリスト教の聖者・聖遺物崇敬の人類学的研究」(代表:赤堀雅幸)
・Japan Office, the Association for the Study of Persianate Societies
問い合わせ先:水上 遼 rymizukami0712[at]gmail.com
担当:森本