2017年3月25日(土)の午後1時半から5時半まで、東洋文化研究所3階大会議室にて、日中学術シンポジウム「中国における民法典の整備――民法総則の制定意義」が開催された。
4名の報告者が3月15日に採択されたばかりの中国民法総則の制定の経緯、外国法を継受した側面とその独自性・特色、伝統的な民法理論から見た問題点、2020年の成立を目指している中国民法典との整合性といった角度から分析を試み、内容豊富な報告を行った。
報告後、会場からは、特定の条文の解釈・理解、中国民法典制定の見通しに関して等、多くの質問があがった。中国法の専門家を中心に40名以上の参加者を得て、予定より1時間も延長して、活発な議論が交わされた。
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日時: 平成29年3月25日(土)午後1時30分~4時30分 (午後1時より受付開始)
会場: 東京大学東洋文化研究所3階大会議室
概要:
中国は、これまでの高度経済成長は維持できなくなっているが、すでに大きな市場として成長してきた。経済社会の牽引役を果たす民法典の整備が司法改革の中核的な内容の一部となっており、2017年3月に開催の全国人民代表大会において、その総則部分が採択される予定である。 著名な民法学者および中国法研究者が、民法典編纂の進捗状況および制定された民法総則の特徴、意義などを語る。
報告(1) 「中国民法総則の伝統および特色」
報告者:王 澤鑑(台湾大学名誉教授)
報告(2) 「中国民法総則の要点分析」
報告者:孫 憲忠(全国人民代表大会代表・中国社会科学院教授)
報告(3)「成立した『中華人民共和国民法総則』」(仮)
報告者:加藤 雅信(名古屋大学名誉教授・名古屋学院大学法学部教授)
報告(4)「中華人民共和国民法史から見た民法総則の位置づけについて」
報告者:鈴木 賢(北海道大学名誉教授・明治大学法学部教授)
司会:高見澤 磨(東京大学東洋文化研究所所長)
通訳:朱 曄(静岡大学地域法実務実践センター教授)
小田 美佐子(立命館大学法学部准教授)
・使用言語は中国語及び日本語。通訳あり。