2026年7月11日に、東文研セミナー「オスマン史研究会第15回定例大会」が開催された。2012年から鈴木董・東京大学名誉教授が発起人として始まったオスマン史研究会は、コロナ禍の中でも休会することなく今年で15回目を迎えた。会場には39名の参加者があり、オンラインでは20名以上の参加があった。
松倉宏真氏の第一報告は、16世紀のオスマン帝国の対ハプスブルク外交文書において「イスラームの家/戦争の家」といういわゆるイスラーム国際法の世界観が見られるのかどうかという問題を検討したものだった。松倉氏は、イスラーム国際法の世界観よりも誓約の遵守を重視し、友誼や友愛を強調したものだったと論じた。
第二報告は黛秋津氏によるもので、19世紀初頭にアレムダル・ムスタファ・パシャの財務取扱人として台頭したアルメニア人商人マヌク・ベイの軌跡をたどる内容であった。ワラキアに多くの利権を持ったマヌク・ベイがいかにオスマン帝国とロシアとの外交交渉で活躍したかが論じられた。
両報告に対しては多くの質問・コメントが寄せられ、活発な議論が交わされた。
日時:2026年7月11日(土) 14:00〜18:00
会場:東京大学東洋文化研究所3階大会議室/Zoom
プログラム:
司会 秋葉淳(東洋文化研究所)
14:00〜14:10 司会挨拶
14:15〜15:35 松倉宏真(九州大学)
「16世紀オスマン帝国におけるハプスブルク君主国の位置づけをめぐって」(仮題)
16:10〜17:30 黛秋津(東京大学)
「帝国の間をつなぐ者——19世紀初頭のロシア・オスマン両帝国とマヌク・ベイ」(仮題)
17:30〜18:00 総合討論