柳宗悦は「民藝」に何を見出し、何を語ろうとしたのか。
本書は柳の晩年の著作を中心に、柳が「民藝」に問い続けたものの実態を読み解き、考察する。
広く、一般に拡散する「民藝」のイメージをもう一度、柳のものに戻し、「民藝」が現在に問う美の基盤を明らかにしようとするもの。
つくり手とつかい手が乖離したものの美と、「民藝」の観念的、大衆的な解釈の危うさを説きつつ、柳の「民藝」を探り「柳の民藝」の再構築を試みることで基点としての柳を浮かびあがらせる画期的論考。柳が見た、極めて具体的な美が蘇る。
本書『民藝の擁護』が、擁護しようとするのは「柳宗悦の民藝」である。柳がその美しさを発見し、その美しさの由来を探求し、その言語化の難しい美しいものの美しい理由を表現しようとした、柳宗悦の民藝である。
(「はじめに」 より)
目次等、詳しい情報は「教員の著作コーナー」に掲載した記事をご覧ください。