本書は、鈴木賢 明治大学教授との共編の形をとっていますが、実質的には、執筆者全体による浅井敦先生記念論集編集委員会とでもいうべき仲間による共同出版物です。しかし、今日では記念論集型の出版は難しく、また、教科書や参考図書として編集方針を明確にした方が読者にとってもより有益なものとなることから、現代中国法についての体系書の形態を採ることになりました。
入門的な体系書としては、すでに西村幸次郎編『現代中国法講義[第3版]』(法律文化社、2008年)、小口彦太・田中信行『現代中国法[第2版]』(成文堂、2012年)、高見澤磨・鈴木賢・宇田川幸則『現代中国法入門[第7版]』(有斐閣、2016年)があります。これらは読了し、現代中国法についての基礎的知識をすでに持っていて、かつ、中国語の学習歴もある、という人を読者として考えました。具体的には、中国法を専攻しようとする修士課程(とくに1年目後期)の大学院生、すでに一定程度中国関係の実務経験のある実務家、中国との交流がある中国法研究者以外の法学者などです。体系的入門書と個別の専門的な論文や実務的なレポートなどとの間を結ぶものを狙いました。
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