日時:6月16日(木)午後5時~7時
場所:東洋文化研究所3階第2会議室
報告者・題目:小野浩(京都橘大学教授)「「ティムールの〈sözüm〉文書」
司会:羽田正(東洋文化研究所長)
私学研修員として、本研究所に滞在中の小野浩教授(京都橘大学)に、「ティムールとトクタミシュの文書」という題目でお話いただいた。ティムール の名前で発出された一文書が2005年にタシュケントで校訂出版され、それをトルコの学者が紹介しているが、小野教授はこれを日本語に翻訳したのち、使用されている用語や表現からみて、その文書が偽物であると断じた。また、中国から中央ユーラシアにかけての広い地域で見られる文書形式や用語の類似性についての興味深い解説があった。報告後の討論では、聴衆の一人によって、タシュケントで出版された本の現物が持ち込まれるとともに、日本語訳への追加情報がいくつか示された。また、偽文書が作成された理由などについても議論がはずんだ。