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学問的には(社会・文化)人類学、地域的にはネパールを中心とする南アジア及びヒマラヤ地域が専門。具体的には、極西部ネパール高地に位置するビャンス及び周辺地域におけるフィールドワークの成果を主たる基盤として、社会範疇(主に「民族」、「カースト」といった用語で論じられてきたもの)の構成、儀礼の変容過程とそれに対する慣習的行為や語られる規範の関係、多言語使用、翻訳、言語イデオロギーといった言語使用に関する問題系、等について、民族誌的、理論的な研究を行ってきた。抽象度を上げれば、主たる関心は規範と行為の関係性を巡る問題にある。
近年取り組んでいる具体的な課題は、(1)ビャンス及び周辺地域の生業と生産の変容に関する歴史的再構成、(2)主に1990年以降における、ネパール国家及び国内の様々なアクターによる、「グローバル」に流通する諸概念(例えば「人権」「民主主義」)の翻訳と受容の過程及びそうした概念の使用のもたらした影響、(3)1996年以降マオイスト運動及びそれに関わる様々な動きがもたらしたネパール村落社会への影響、等である。
班研究
「南アジア北部における人類学的研究の再検討」「アジアにおける多言語状況と言語政策史の比較研究」外部資金
科研データベース基盤研究(B)「体制転換期ネパールにおける「包摂」を巡る社会動態の展開に関する比較民族誌的研究」(2012〜2014年度)基盤研究(C)「体制転換期ネパールにおける政治言語の流通と変容に関する言語人類学的研究」(2009~2011年度)