真実を隠す政府、真実を報道しないマスメディア、機能しない民主主義は危機を招く。「正義とは何か」を問う机上の空論ではなく、一歩でも正義に近づくための「正義のアイデア」を日本は必要としている。(帯より)
「正義とは何か」という問いに答えるのは容易ではない。しかし、二つの選択肢の間でどちらがより正義に適っているかを判断することはずっと容易である。我々がやらなければならないことは、今の世の中に存在する不正義をひとつひとつ取り除いていくことだとすると、「完璧な正義とは何か」を考えることはほとんど役に立たない。本書はこの意味で「正義論」ではなく、「正義のアイデア」に過ぎない。しかし、そのアイデアだけで、世の中を変えていくことはできる。本書は、この考え方をセンが提示した後、多くの論争がなされた経緯を踏まえ、正義に近づくためにどうすればよいのかを分かりやすくまとめたものである。
| 序文 | |
|---|---|
| 謝辞 | |
| 序章 | 正義へのアプローチ |
第1部 正義の要求 | |
| 第1章 | 理性と客観性 |
| 第2章 | ロールズとその後 |
| 第3章 | 制度と個人 |
| 第4章 | 声と社会的選択 |
| 第5章 | 不偏性と客観性 |
| 第6章 | 閉鎖的不偏性と開放的不偏性 |
第2部 推論の形 | |
| 第7章 | 立場、妥当性、幻想 |
| 第8章 | 合理性と他者 |
| 第9章 | 不偏的理由の複数性 |
| 第10章 | 実現、帰結、行為主体性 |
第3部 正義の材料 | |
| 第11章 | 暮らし、自由、ケイパビリティ |
| 第12章 | ケイパビリティと資源 |
| 第13章 | 幸福、福祉、ケイパビリティ |
| 第14章 | 平等と自由 |
第4部 公共的推論と民主主義 | |
| 第15章 | 公共的理性としての民主主義 |
| 第16章 | 民主主義の実践 |
| 第17章 | 人権とグローバルな義務 |
| 第18章 | 正義と世界 |
訳者解説 | |
| 訳者あとがき | |
| 原注 | |
| 事項索引 | |
| 人名索引 | |