主任:松田康博
東アジアにおける安全保障環境は21世紀に入って複雑さを増している。核兵器・弾道ミサイル開発を進める北朝鮮が地域の主たる不確実性であり続けている一方で、GDPや国防予算が10年間で4倍増するような、人類史上希にみるスピードでその存在感を増すようになった中国が、今や東アジア地域における安全保障環境における最大の関心国となった。しかも台頭を始めた中国は、その軍事力・経済力を利用して現状変更行動を始め、周辺諸国との摩擦を増大させている。中国が現状変更に踏み込むようになった原因は何なのか、中国の行動が日本や米国といった現状維持国やその他の周辺諸国にどのような影響を及ぼすのか、今ほど権現的・多面的な研究が求められる時代はない。まずは、米国における代表的な中国の安全保障に関する先行研究の読書会・翻訳などから研究活動を始め、研究テーマおよび班研究メンバーの拡充を図り、研究発表を重ねた上で、東アジアの安全保障に関する著作を出版する予定である。
松 田 康 博 中台関係
杉 浦 康 之 現代中国外交史
山 口 信 治 中国政治・安全保障
福 田 円 米中台関係
手 賀 裕 輔 アメリカ外交
吉 田 真 吾 日米同盟
許 一 蕘 現代中国政治外交史
テイラー・フレイヴェル 著, 松田康博(監訳)、杉浦康之、手賀裕輔、福田円、吉田真吾、山口信治 訳『中国の領土紛争―武力行使と妥協の論理―』 勁草書房、2019.7.