主任:松田康博
台湾は、経済的に発展したとはいえ、承認国が少なく、同盟国もなく、武器を売却する国も僅かである。台湾の存在と安全は米中という大国の政策に依存しているのであり、基本的な安全が保障されない構造の下で、台頭する中国に対して台湾の選択肢は年々狭まっている。 中台の経済緊密化が進むにつれ、中国も敏感性が増大するものの、台湾の脆弱性の方がはるかに強まりうる。さらに、中国がそもそも自国のパワーを増強させるために経済安全保障の手段を使用する国であるという立場に立てば、台湾のみならず対中依存の強い国・地域は、中国に対するバンドワゴニングを強めざるを得ないと見ることもできる。しかし、相互依存論に立脚すれば、貿易や投資フローの増大が、中台双方の政治的外部性を強化し、双方の敵対的行動を回避させるようになるとも言える。いずれにせよ、中国との経済関係なしに台湾経済の将来を描くことはほぼ不可能になりつつある。中台関係に関わる事象を、多角的に分析し、理論面でも貢献することが本研究班の目標である。
松 田 康 博 中台関係
佐 橋 亮 米国のアジア政策
若 林 正 丈 台湾近現代史・現代台湾政治史
高 原 明 生 現代中国政治
家 永 真 幸 中台関係
伊 藤 剛 日米中関係
伊 藤 信 悟 中国・台湾の経済
小笠原 欣 幸 台湾政治研究
佐 藤 幸 人 台湾経済研究
清 水 麗 日中台関係
福 田 円 米中台関係
松 本 充 豊 台湾政治研究
黄 偉 修 台湾の大陸政策決定過程
岩 谷 將 中国政治外交史
Emily S. Chen 米台関係
丁 天 聖 中国の対台湾政策
参照:松田康博研究室・研究プロジェクト、<http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/~ymatsuda/jp/project.html>。