東京大学東洋文化研究所

班研究

(終了)id: N-5 「再資料化による原資料の可能性採掘:20世紀初頭の在比日本人コミュニティに関する松井家資料のデータベース化 / Exploring Deep Indexing Database: Japanese communities in the Philippines in the early 20th century as seen from the Matsui Family Collection 」

  • 主任:米野みちよ

  • 概要:

     20世紀初頭のアメリカ植民地下フィリピンでは、港湾都市を中心に西洋化と近代化が進んでいた。日本からも数万人の移民が渡り、各地でコミュニティを形成していた。この度、米野研究室は、当時フィリピンの各都市(マニラ、セブ、ダバオ)でビジネスを展開していた松井家の貴重な資料の寄贈を受けた。特に、奇跡的に良好な状態で保存されていた合計約140分の映像資料は、約80年前のフィリピン、日本人移民社会、日比貿易などに関して、これまでの歴史研究が明らかにしてこなかった多様かつ豊富な情報を提示する。本プロジェクトでは、映像の書き起こしを中心に、原資料をより有効に資料(史料)として活用するための、デジタル化とデータベース化の方法を、実践を通して研究する。当時の、豊かな人的交流、日本企業各社の製品の輸出と広告、建築・都市建設・服飾、また米製フィルムの品質、撮影の技術など、文・理・芸術等多方面の研究に、貴重な資料を供給することを目指す。

    米 野 みちよ   米植民地下フィリピンにおける日本人移民の日常生活概観
    藤 岡   洋   映像資料のDeep Indexingの方法の研究
    野久保 雅 嗣   より効果的な資料のデジタル化(写真撮影)に関する研究
    北 田 依 利   米領フィリピン日本人移民のコミュニティにおけるジェンダー・セクシュアリティ、マイノリティ、植民地主義の歴史
    松 井 啓伊子   一次資料の保存に関する考察
    村 山 英 世   フィルム保存とデジタル化の技術

研究内容・成果報告