このたび羽田正教授の編著、「東アジア海域に漕ぎだす1―海から見た歴史」(東京大学出版会)が刊行されました。
これまで「国」単位の歴史をもとに理解されてきた東アジア史を、「海域」概念を用いて描きなおし、新たな歴史解釈の可能性を示す試みです。近代以前の東アジアの往来の歴史を、俯瞰的に見つめなおす、革新的な著書です。みなさまぜひご一読ください。
(本文は 羽田研究室「ユーラシアの近代と新しい世界史叙述」における本著作紹介からの抜粋となります)
プロローグ 海から見た歴史へのいざない | |
---|---|
第一部 ひらかれた海 一二五〇―一三五〇年 | |
一 | 時代の構図 |
二 | 海域交流の舞台背景と担い手たち |
三 | 海商がおしひろげる海域交流――開放性の拡大 |
四 | モンゴルの衝撃がもたらしたもの――開放のなかの閉鎖性 |
五 | モノと技術の往来――すそ野の拡大と双方向性 |
第二部 せめぎあう海 一五〇〇―一六〇〇年 | |
一 | 時代の構図 |
二 | 大倭寇時代――東アジア貿易秩序の変動 |
三 | 海商たちの時代 |
四 | 多様で混沌とした文化の展開 |
第三部 すみわける海 一七〇〇―一八〇〇年 | |
一 | 時代の構図 |
二 | 海商たちと「近世国家」の“すみわけ” |
三 | 交流と居留の圧縮と集中 |
四 | 海をまたぐモノと情報 |
羽田 正 編著
『東アジア海域に漕ぎだす1―海から見た歴史』
東京大学出版会, 304ページ
2013年1月
羽田正研究室 ユーラシアの近代と新しい世界史叙述 の紹介ページへ
『新しい世界史へ』(本研究所で過去に紹介した羽田教授の著作)