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教員の新著が刊行されました
馬場 紀寿 著 『初期仏教 ブッダの思想をたどる』(岩波新書)

著者からの紹介

  古代インドで生まれた仏教は、民族を越え、国境を越えてアジア各地に広まり、今や欧米にまで伝わっています。各地で多様な哲学や文化や信仰を生み出した仏教は、もともと、どのような思想を説いたのか。本書では、資料から遡ることができる最も古い時代の仏教思想を復元して、この問いに答えたいと思います。
  初期の仏教は、キリスト教やイスラム教で信じるような、世界を創造した神は存在しないと考えました。外から与えられた規範によってではなく、一人生まれ一人死にいく自己に立脚して倫理を組み立てます。さらに、生の不確実性を真正面から見据え、自己を再生産する「渇望」という衝動の克服を説きます。
 先の見えない社会状況の中で不安が蔓延している今日、このような初期仏教の思想は、魅力をかえって増しているように見えます。本書を通して、その内容をできるかぎり分かりやすく紹介します。ブッダが教えを人々に教えを広めるに当たり、宣言したという言葉は印象的です。
聞く耳ある者たちに、不死への門は開かれた。


目次等、詳細情報は教員の著作コーナーに掲載した記事をご覧ください。



登録種別:研究活動記録
登録日時:WedOct315:18:512018
登録者 :馬場・野久保(撮影)・藤岡
掲載期間:20181003 - 20190103
当日期間:20181003 - 20181003