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教員の著書が刊行されました
AOYAMA Waka, "An Intimate Journey ―Finding Myself Amongst the Sama-Bajau―"

著者からの紹介

 本作品は、著者が20年以上継続してきたフィリピン・ダバオ市における民族誌的調査にもとづく、スティグマを押されている一方で集団および1人ひとりの人間としての生活実態についてはほとんど知られてこなかったサマ・バジャウの人びとに関する総合的な生活誌です。

 具体的には6つの家族について、経済・政治・信仰などの側面から客観的に生活を描くと同時に、当事者によるナラティヴをふんだんに用い、その内的世界を読者に開いていきます。各章は「不在の他者」―調査地における死者及び生まれ来る子どもたち―に宛てた書簡形式をとり、著者によって語り直され、語り継がれる物語として読めるよう工夫されています。

 理論的には、哲学者トマス・カスリスによる『インティマシーあるいはインテグリティー:哲学と文化的差異』(法政大学出版局、2016[2002]年)における議論を準拠枠に、日本語で教育を受けた人文社会科学者・地域研究者のひとつの特徴として「インティマシー」指向性を自らのうちに指摘し、その海外への発信を試みる作品でもあります。

 東南アジアやサマ・バジャウに関心のある方はもちろん、経済と倫理やケアの問題、これからの人間や社会の方向性の問題―現代の新自由主義市場経済のもとで効率性基準からは「最底辺」とみなされがちな集団や個人がどのようなリスクを負い、それにたいしてどのような知恵をもって生き抜いているのか、わたしたちはそれにたいしてどう考え、何をしていくべきか等―に関心のある方にもぜひ手にとっていただけきたいです。


目次等、詳細情報は教員の著作コーナーに掲載した記事をご覧ください。



登録種別:研究活動記録
登録日時:TueApr1408:30:162020
登録者 :青山・田川・野久保(撮影)・藤岡
掲載期間:20200415 - 20200715
当日期間:20200415 - 20200415