
米野みちよ
International Journal of Asian Studies, Executive Editor
民族音楽学/音楽人類学
1990年代より、四半世紀にわたって、フィリピン北部の先住民の音楽と文化を研究してきました。
- 自然と共存する素朴な社会は助け合いの知恵に溢れていて、地域社会や家族の近代的規範が崩壊し、また新しいモデルを探っている現代の日本が参考にしたいヒントに満ちています。
- 同時に、彼らが、近代化によって、文字を学び、学校教育を受けるようになった一方、精霊との交信を失い、即興の歌を失い、掛け合いの歌を失ったことの意味を考えます。
- また、アメリカの植民地支配下におかれた歴史を検証し、アメリカとはどういう国なのか、を考えます。日米同盟について考えるヒントも与えられます
移民研究/文化人類学
2000年代より、日比間の人の移動を多角的に調査しています。
- 日比間を移動する子供たちの声、日本で子育てをするフィリピン人の親たちの声に耳を傾けています。
- 日比経済連携協定に伴って来日したフィリピン人看護師と彼らを受け入れてきた病院の関係者の視点から、専門職の外国人が日本で働くことの意味とそのための政策を考えます。
その他
- 民族音楽学 と移民研究の交叉点として、在日フィリピン人の音楽活動を参与観察しています。表現とは何か、アメリカの影響、そして日本の多文化共生政策の盲点、などを考えます。
- 近代性の理論的分析を通じて、社会の様々なマイノリティの人たちが、近代社会の諸制度の中で、強かに生きているそのストラテジーに目を向けます。脱近代社会を構築していくヒントが得られます。ポピュラー文化の分析もこれに役立ちます。