取り組んでいるテーマ
1990年代からフィリピン北部の山地民の間で行ってきた民謡の調査から、「伝統文化」と言われるものの生成過程や、地域と当人たちを取り巻くさまざまな力関係について、人類学のエージェンシーの理論やポストコロニアル批判の視点から研究を行ってきた。一方、日比の間を移動する人々のストラテジーとそれを取り巻く社会状況(経済、移民政策、文化適合、言語習得、など)についても、関心を持ち続けている。
つまり、先住民、移民、など、アジアのマイノリティを対象に、彼らの生き様に注目している。マジョリティとの関係の中で、どんな駆け引きをしながら日々の暮らしを送っているのか、近代社会の諸規範(それ自体変化しているのだが)への適合、反発、無視、などの対応の機微を、観察し、考察する。
班研究「アジアにおける近代性とマイノリティのエージェンシー」主宰