講演概要
オスマン帝国の女性と聞くと、まず華やかな宮廷の女性たちが思い浮かぶかもしません。
他方で、庶民の女性については、家に閉じ込められ、自由のない、というイメージがもたれているかもしれません。
しかし、実際には、歴史的に多くの女性がさまざまな経済活動に従事していたことが知られています。
紡績や織物業、助産婦、行商、教師、そして近代になると工場労働者などに女性を見いだすことができます。
本講座では、こうしたオスマン帝国の働く女性たちに光を当て、オスマン帝国の社会生活を描き出します。
講師紹介
専門はオスマン帝国史。17世紀から19世紀のオスマン帝国社会の変容に関心をもって研究を進めている。とくに現在取り組んでいるテーマは以下の通り。
1) 裁判官の組織、制度、ライフヒストリーなどに焦点を当てて、オスマン帝国の国家と社会の変容を探る研究。
2) 伝統的な学校や近代的学校制度の歴史を社会的文脈で捉える教育社会史研究。
3) 法廷台帳を利用して、オスマン社会における法の実践、適用などを探究する法社会史的研究。
4) オスマン社会における読むことと書くことに関する歴史的研究。
2002. | 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程退学 |
2003.4 | 日本学術振興会特別研究員PD (2004.3まで) |
2004.4 | 千葉大学文学部講師 (2007.3まで) |
2007.4 | 千葉大学文学部准教授 |
2009.9 | コチ大学アナトリア文明研究センター・シニアフェロー (2010.6まで) |
2017.9 | ハーヴァード大学歴史学科訪問研究員 (2018.8まで) |
2018.4 | 東京大学東洋文化研究所准教授 |