講演概要
インドネシア、フィリピン、ベトナムから、経済連携協定(EPA)の枠組みで、看護師らを受け入れる制度が始まってから10年。
彼らは高齢化社会日本の医療や福祉の現場・制度をどのように見ているのか。日本での暮らしやすさ・暮らしにくさは何か。日本語習得は何が難しいのか。結婚、子育て、親の介護はどうしているのか。どのようなキャリアパスを描いているのか。他の国で働く場合と比べた時の日本のメリット・デメリットは何か、故国へどんな思いを寄せているのか、を紹介します。
講師紹介
1990年代からフィリピン北部の山地民の間で行ってきた民謡の調査から、「伝統文化」と言われるものの生成過程や、地域と当人たちを取り巻くさまざまな力関係について、人類学のエージェンシーの理論やポストコロニアル批判の視点から研究を行ってきた。一方、日比の間を移動する人々のストラテジーとそれを取り巻く社会状況(経済、移民政策、文化適合、言語習得、など)についても、関心を持ち続けている。
つまり、先住民、移民、など、アジアのマイノリティを対象に、彼らの生き様に注目している。マジョリティとの関係の中で、どんな駆け引きをしながら日々の暮らしを送っているのか、近代社会の諸規範(それ自体変化しているのだが)への適合、反発、無視、などの対応の機微を、観察し、考察する。
1991.3 | 東京藝術大学音楽学部楽理科卒業 |
1998.5 | フィリピン大学音楽学部修士課程終了(音楽学専攻) |
2011.5 | フィリピン大学社会科学哲学学部博士課程終了(フィリピン研究専攻) |
1999.6 | フィリピン大学アジアセンター専任講師 |
2005.6 | フィリピン大学アジアセンター助教 |
2012.6 | フィリピン大学アジアセンター准教授 |
2017.1 | 東京大学東洋文化研究所准教授 |