講演概要
「道」という概念は、東洋思想の根幹をなす。この言葉が何を意味しているのかを、『論語』と『老子』との使用例をもとに考察する。
私の結論は、「道」という言葉が「ものごとのあり方」を意味している、ということである。この一見、当たり前の考えに立つことで、この二冊の本を統一的に理解する道が開かれることを示したい。
講師紹介

近代世界は西欧形而上学の実体化した科学技術によって成立し、そこから生じた核兵器や環境破壊によって危機に瀕している。この危機を乗り越えるためには、西欧形而上学とは異なった認識枠組みによって世界を捉え直す必要がある、という考えにもとづいて、知識の再編成を目指し、それを芸術・音楽・宗教・生活と再統合する道を模索している。
1963. | 生 |
1986. | 京都大学経済学部卒業 |
1986. | 株式会社住友銀行(〜88年) |
1991. | 京都大学大学院経済学研究科修士課程修了 |
1991. | 京都大学人文科学研究所 助手 |
1996. | Visiting Research Associate, London School of Economics and Political Science, the University of London. (〜97年) |
1997. | 博士(経済学)を京都大学大学院経済学研究科より取得 |
1997. | 名古屋大学情報文化学部 助教授 |
2000. | 東京大学大学院総合文化研究科 助教授 |
2003. | 東京大学大学院情報学環 助教授 |
2007. | 東京大学東洋文化研究所 准教授 |
2009.4 | 東京大学東洋文化研究所 教授 |