News

東文研セミナー「写真探して4万キロ・米国調査報告会(科研「「野の芸術」論―ヴァナキュラー概念を用いた民俗学的アート研究の視座の構築」(研究代表者:菅豊)第2回研究会)」が開催されました

報告

 2019年11月17日(日)14時から東文研セミナー「写真探して4万キロ・米国調査報告会」が開催された。本研究会は、菅豊教授(東京大学)を研究代表とする科研プロジェクト「「野の芸術」論―ヴァナキュラー概念を用いた民俗学的アート研究の視座の構築」の第2回研究会である。
 研究会では、第二次世界大戦後の都市史を専門とし、またヴィジュアル・アーカイヴズやヴァナキュラー写真(Vernacular Photography)に関して造詣が深い佐藤洋一氏に、「写真探して4万キロ・米国調査報告会」と題してご発表いただいた。
 同氏はこれまで、第二次世界大戦後にGHQ関係者などによって日本で撮影された、「公」的な写真等の史料を、主にアメリカで調査研究してきた。そして、同氏は昨年9月からは2回にわたり、アメリカ人による「私」的な写真コレクションに焦点を当て、アメリカ大陸を横断しながら各地の図書館や史料館を訪ね歩き、所蔵された写真を丹念に調査し、複製作業を行ってきた。それは「公」的な記録には出てこない、戦後日本の都市の姿を発掘するための、膨大な基礎作業の一部である。
 その約9ヶ月間、距離にして約4万キロにも及ぶ旅を通じて全米各地の重要コレクションを周り、数万枚もの写真の履歴を辿り、資料保存の観点から生じる様々な制限の中で可能な限り複製に挑戦した今回の調査について、様々なエピソードを交えながらご発表いただいた。旅を通じて収集した写真資料や映像をもとに、「運び屋」的な旅のこと、アメリカにおける史料館での調査のこと、写真史料のこと、「公」的な史料と「私」的な史料の違い、そして同氏の今後の研究の見通しと課題について時間の限りお話しいただくと共に、研究発表終了後には、発表者と40名以上集まったフロアとの間で質疑応答が行なわれ、活発な議論が交わされた。

※本研究会はJSPS科研基盤B「「野の芸術」論―ヴァナキュラー概念を用いた民俗学的アート研究の視座の構築」(研究課題/領域番号19H01387)の研究成果である。

当日の様子

開催情報

■日時:2019年11月17日(日) 14:00~18:00

■場所:東京大学東洋文化研究所・大会議室

■コーディネーター・司会:菅豊(東京大学)

■発表者:佐藤洋一(早稲田大学社会科学総合学術院教授・東京大学東洋文化研究所私学研修員)
 佐藤洋一氏は、第二次世界大戦後の都市史を専門とし、またヴィジュアル・アーカイヴズやヴァナキュラー写真(Vernacular Photography)に関して造詣が深い。同氏はこれまで、第二次世界大戦後にGHQ関係者などによって日本で撮影された、「公」的な写真等の史料を、主にアメリカで調査研究してきた。そして、同氏は昨年9月からは2回にわたり、アメリカ人による「私」的な写真コレクションに焦点を当て、アメリカ大陸を横断しながら各地の図書館や史料館を訪ね歩き、所蔵された写真を丹念に調査し、複製作業を行ってきた。それは「公」的な記録には出てこない、戦後日本の都市の姿を発掘するための、膨大な基礎作業の一部である。
 この報告会では、約9ヶ月間にわたって全米各地の重要コレクションを周り、数万枚もの写真の履歴を辿り、可能な限り複製した、エキサイティングな今回の調査内容についてご発表いただく。具体的には、「運び屋」的な旅のこと、アメリカにおける史料館での調査のこと、写真史料のこと、「公」的な史料と「私」的な史料の違い、そして同氏の今後の研究の見通しと課題についてお話しいただく予定である(菅豊)。

※佐藤洋一(さとう よういち):早稲田大学社会科学総合学術院教授、博士(工学)
主著に『米軍が見た東京1945秋』(洋泉社、2015)、『帝政期のウラジオストク〜市街地形成の歴史的研究〜』(早稲田大学出版部、2011)など。

■主催:「野の芸術」論研究会(科研「「野の芸術」論―ヴァナキュラー概念を用いた民俗学的アート研究の視座の構築」グループ(研究代表者:菅豊))、東京大学東洋文化研究所班研究「東アジアにおける「民俗学」の方法的課題」研究会(主任:菅豊)

■共催:現代民俗学会

担当:菅



登録種別:研究活動記録
登録日時:WedNov2017:30:202019
登録者 :菅・川野・藤岡
掲載期間:20191117 - 20200217
当日期間:20191117 - 20191117