2012年1月27日(金)、韓国ソウルの成均館大学600周年記念館第1会議室にて、成均館大学東アジア学術院・東京大学東洋文化研究所・京都大学人文科学研究所共同主催 2011年度定期学術会議「東アジアの近代」が開催された。東洋文化研究所からは羽田正教授、高見澤麿教授、安田佳代特任助教が出席した。
成均館大学東アジア学術院と東洋文化研究所の知的交流を育んできたこの共催学術会議は今年で8回目を迎え、昨年より新たに京都大学人文科学研究所が加わり、3つの研究所による共催学術会議としては2回目の開催となった。
今回のテーマは「東アジアの近代」であり、 午前9時半から午後6時まで、以下7つの報告が行われ、続いてコメントと議論が行われた。
◇報告 9:50~15:10
岩井茂樹(京都大学)「近代化における中国の請負制―公権力と民間秩序」
孫炳圭(成均館大学)「19世紀における朝鮮王朝の財政運營―中央と地方の關係」
金建泰(ソウル大学)「19世紀韓国における集約的農法の拡散と作物の多角化」
水野直樹(京都大学)「朝鮮における戸籍制度の展開―朝鮮王朝•大韓帝国期から植民地期へ」
高見澤磨(東京大学)「近代における東アジア法の転換」
裵亢燮(成均館大学)「東アジアの土地賣買―法と慣習」
安田佳代(東京大学)「戦間期東アジアにおける国際衛生事業―日本を中心に」
◇コメント・討論 15:30~18:30
金文京(京都大学)、羽田正(東京大学)、岩城卓二(京都大学)、宮嶋博史(成均館大学、討論司会)
7つの報告を通じて、第一に、東アジア各国が人(岩井報告、孫報告、水野報告)と土地(金報告、裵報告)の管理を通じて、どのように近代化を試みたのか、第二に、国際法(高見澤報告)や衛生事業(安田報告)といった西欧生まれの近代化の産物は、東アジアの近代化にどのような影響を与えたのかという、大きく分けて二つのテーマが提示された。そこに東アジア特有の近代化の特色を見出すことができるのか、東アジアの近代化において、西欧はどのように認識され、どのような影響を与えたのか、についてコメントと討論が行われた。
次回の共催学術会議は、2013年1月末に、東京大学東洋文化研究所にて開催予定である。
キャンパス内に掲示された横断幕 | 会場の成均館大学600周年記念館 |
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