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ハーネ=ジャハーン=ティランガニー(Khan-i Ja-han Tilangani)の墓といわれており,ニザームッディーン=オーリヤーの墓の南方約150メートル,ニザームッディーン南部の聚落囲壁の内部北寄りのところにある。附図.I-9
ドームをいただく八角形の平面をもつ建物で,八角の墓室と,それをとり囲む廻廊とからなっている。各面は三つのアーチをもっており,その両端はバットレスによって補強されている。八角のドラムの上に立つ中央ドームの周辺には,8個の小さなドームが配置されている。庇の上からドラムにいたる部分には,大理石をあしらいながら,赤い砂岩を豊富に用いている。墓室の内部には,4基の墓が現存し,そのうち中央の大理石の墓石がもっとも大きい。この墓は,トゥグルク朝後期の貴族であった,ハーネ=ジャハーン=ティランガニーの墓といわれており,その可能性もあるが,確証はない。現在では,この墓の廻廊の部分に,幾世帯かの家族が住みついており,建物の多くの個所に改変がほどこされている。ヴェランダやドームにも雑草が生い茂り,自然の荒廃にまかされている。わたしたちは,1962年の2月に住民の許しを得て暗やみの墓室内に入ることができたが,墓石はよく保存され,香煙すらただよっていた。しかし,このような建築史上に重要な建造物は,将来十分に保存の措置が講じられる必要があろう。第Ⅱ期。
東研.Ⅲ-14;ASI.Ⅱ-242

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