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バレー=ハーン=カ=グンバツド(Bare Khan ka Gumbad)とよばれており,ムバーラクプル=コートラ部落の西側に新設された住宅地の内部にある。附図.H-10
デリーに現存する,デリー諸王朝時代に属する遺跡のうちで,おそらく最大の直径をもつドームをいただく建物であろう。外辺約22メートルの四角平面の建物で,西にミヒラーブをもち,他の三方に入口を開いているが,北のものには,スクリーンがはめられている。入口の部分やミヒラーブは,いずれも,赤い砂岩を用いて,丹念に仕上げられている。各面の中央アーチの左右は,それぞれ外観が三層をなしており,各層には,おのおの,三つずつの龕が設けられていて,その数においても,他に例を見ない。さらに,建物の四隅には,八角形の塔を模した装飾が,これらの三層を貫ぬいており,これまた,この建物に特徴をそえている。屋上の四隅には,小さなドームをいただく八本柱からなるチャハトリがあるが,現在では,東南隅のものは消失してしまっている。内部には,5基の墓が認められるが,床面とともに,近代の補修を受けている。なお,この墓建築は,附近の二つの墓建築とともに,ティーン=ブルジー(TinBurji,三つのドーム)として知られてきたが,そのうちの最大のものであるところから,バレー=ハーン(大きなハーン)のグンバッドという俗称がつけられたものであろう。第Ⅲ期。
東研.Ⅳ-9;ASI.Ⅳ-45

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