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チョール=ミーナール(Chor Minar)として,ひろく知られており,ハウズ=ハース=エンクレーヴ住宅地の内部にあり,ロータリーの中央に位置する。附図.G-11
この建造物は,外辺9.2メートルの四角平面の基部の上に立っており,直径約7メートルの円筒状の塔である。現在では,上部は崩壊してしまっているが,あるいは,もともと,未完成のものであったかもしれない。四角の基部の各面には,それぞれ,三つのアーチ形の大きな龕がならんでいるが,そのうち,東面中央のものが,入口となっており,塔にのぼる螺旋形の階段に通じている。基部には、後代の補修がみられるが,円筒の部分の石積みなどからみて,おそらくは,第Ⅱ期に属する建造物と考えたい。なお,この塔がなんであるかについては,壁面に多数の小さな穴があることから,敵軍や盗賊の首をさらすためのものであったとする伝説がひろく行なわれ,そこから,チョール=ミーナール(盗人の塔)という俗称が生まれてきたものと思われる。しかし,そうしたことを裏づける文献資料はまったくなく,確実なことはなにもわからない。第Ⅱ期(?)。
東研.Ⅷ-8;ASI.Ⅲ-289

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