O09

ニザームッディーン南部の聚落囲壁とよぶ。ニザームッディーン=オーリヤーの墓の南方約150メートルにある。附図.I-9
本来は,一辺約100メートルにおよぶ四角平面の囲壁で,バットゥルメントをそなえ,四隅にバスティオンをもつ城砦風の構築物であったと思われる。現在では,内外に住居が密集しており,その全貌をうかがうことはできないが,全体的に崩壊が著しく,後代の改築・補修が随処にみられる。東北隅の部分は本来のすがたを比較的よくとどめており,バスティオンの上に,ピラミッド型の屋根ををいただく四角平面の小さな建物が立っている。また,北側の囲壁の東寄りの部分には,門がのこっていて,現在もなお使用されているが,これもやはり補修が著しい。この囲壁が,いつの時代に構築されたかは,歴史的には明らかでないが,上に述べたもっとも古いと思われる部分は,デリー諸王朝時代中期の特徴をよく示している.この囲壁のすぐ東側には,カーリー=マスジッドとよばれる,トゥグルク朝のフィーローズ=シャーの時代に建てられたモスクがのこっている。第Ⅱ期。
東研.Ⅲ-26,ASI.Ⅱ-241

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