20th 公開講座「アジアの書」 アクセス
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東洋文化研究所新収図書
『新刻彙正十八国闘宝伝』をめぐって

―― 新発見の明代小説 ――

講師: 上原 究一 (新世代アジア研究部門・准教授)13:30〜15:00

講演概要

東洋文化研究所は数多くの貴重書を収蔵しています。このたび、中国で明の時代に出版された『新刻彙正十八国闘宝伝』という本が、新たにその仲間に加わりました。
 春秋時代に実在した伍子胥という文武両道の名将を主人公とする通俗小説で、これまで存在が知られていなかった、新発見の作品です。
 とはいえ、そのストーリーは、今まで誰も知らなかったお話というわけではありませんでした。それどころか、明よりも前の元の時代から今日に至るまで、お芝居や講談、さらには他の小説など、さまざまな形で親しまれ続けてきたお話のバリエーションのひとつだったのです。
 本講座では、この本の概要をご紹介するとともに、明代や清代の中国で出版された小説が他にもたくさん日本に残っている背景などにも触れたいと思います。

講師紹介

  専門は中国古典文学、書誌学。元・明・清代の白話文による通俗文学と、その興隆をもたらした商業出版の伸張について研究を進めている。

 

2005.3 東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻
中国語中国文学専門分野 修士課程修了
2006.9 首都師範大学文学院中国古代文学専業 高級進修生(~2008.7)
2011.2 北京大学国際漢学家研修基地 訪問研究員(~2011.3)
2013.3 東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻
中国語中国文学専門分野 博士課程単位取得退学
2013.4 日本学術振興会特別研究員PD(慶応義塾大学附属研究所斯道文庫)
2015.4 山梨大学大学院総合研究部教育人間科学域言語文化教育講座 准教授
2016.4 山梨大学大学院総合研究部教育学域言語文化教育講座 
准教授(学域名変更)
2016.11 東京大学大学院人文社会系研究科アジア文化研究専攻
課程博士(博士(文学))
2018.4 東京大学 東洋文化研究所新世代アジア研究部門 准教授