3. CHAND MINAR

チャーンド・ミーナール

 

 三つのバルコニーを持つ四層から成るこの円形の塔は、デリーのクトゥブ・ミーナールに似た形態を持っており、デリーから南下してきたデカンのムスリム征服者は、おそらく本地のモニュメントをを意識して、ジャーマ・マスジドのすぐ傍にこの塔を造営したという想像もしたくなる。この円形のミーナールの最下部には、アーチ形の入口を開き内部にミフラーブ様のがんをも備える四角形の建造物があるが、あるいは小モスクの役割を果たしていたものとも推察される。その一角にはペルシア語の長い刻文が残っている。このチャーンド・ミーナールの基部はトゥグルク時代の創建だが、塔の中央部はアラーウッディーン・ハサンによって1346年のドーラターバード占領を記念して造られたとされている。ミーナールの下部の小型のモスク様の建造物の方は、のちの1445年に付設されたものといわれている。(荒松雄)

バフマン朝アラー・アッディンの治世下の1435年建立のインスクリプションがのこる。高さ30.48メートルの塔である。(深見奈緒子)

 

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