結構いい線行きました、私めの選挙予測!
共同通信ニュース速報 1999年6月4日
06/04 18:36 闘争民主党が第1党に 加納東大教授が情勢分析
【ジャカルタ4日共同】野党の闘争民主党が得票率三○%前後で
第一党となり、約二○%の与党ゴルカル党を大きく引き離す―。
国立インドネシア大学との共同研究のためジャカルタに長期滞在
している東京大学東洋文化研究所の加納啓良教授は四日、実地調査
に基づき選挙戦終盤の情勢を州別に分析、各政党の得票と獲得議席
の予測をまとめた。
総選挙では国会定数五百議席のうち、国軍任命議席三十八を除く
四百六十二議席を選ぶ。予測議席数は、闘争民主党一三四(得票率
三○・一%)、ゴルカル党一○九(同二一・○%)、国民信託党七
○(同一四・九%)、国民覚せい党六四(同一五・二%)、開発統
一党三六(同八・一%)、その他四九(同一○・七%)となった。
闘争民主党は大票田の中ジャワ州、東ジャワ州のほか、バリ島や
スマトラ島の一部で他党を大きくリード、ゴルカル党はスラウェシ
島や東部の諸州で健闘するが、全国では大差がつくとみている。
加納教授は十数年間にわたって現地調査を続けている中ジャワ州
、東ジャワ州のほか、スマトラ島、スラウェシ島などを訪ね、前回
総選挙や、同国で唯一の自由選挙だった一九五五年の総選挙の結果
なども参考に州別予測値を算出した。
[1999-06-04-18:36]
朝日新聞1999年6月5日朝刊
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インドネシア総選挙7日に投票 闘争民主党に追い風
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インドネシア総選挙は5、6両日の「冷却期間」をへて、7日に投票、即日開
票される。選挙情勢の分析をしている専門家の間では、昨年5月以来の民主化に
よって政治構造にかなり大規模な地殻変動が起きつつある、との見方が広がって
きている。32年に及んだスハルト体制への怒りと批判が野党、とくに故スカル
ノ初代大統領の長女メガワティ党首の率いる闘争民主党への強い追い風となり、
同党を第1党に押し上げる可能性がある。
総選挙で選出されるのは、国会の500議席のうち国軍枠を除いた462議席
で、各党の得票率に応じて州ごとに議席が配分される。
政治・軍事評論家のサリム・サイド氏は、選挙戦の序盤では「ゴルカル党と闘
争民主党のトップ争い。それぞれ20%以上得票する」と分析していた。
しかし、議席の半分を占めるジャワ島での闘争民主党への爆発的な支持の広が
りとゴルカル党の苦戦、といった情勢変化を踏まえ「闘争民主党が30%前後の
得票をする可能性がある。これをゴルカル党が追っている」と見方を変えた。
インドネシアに長期滞在して情勢分析を続けている東大東洋文化研究所の加納
啓良(ひろよし)教授も、(1)闘争民主党30%(2)ゴルカル党21%
(3)国民覚せい党15%(4)国民信託党15%(5)開発統一党8%
(6)その他11%、との得票予測を明らかにした。議席の獲得予測は闘争民主党
134議席、ゴルカル党は109議席としている。
スハルト体制を支え、過去の選挙で70%前後の得票をしてきたゴルカル党に
ついては「議席の大幅減は避けられないが、第1党の座は維持する」との見方も
根強い。インドネシア科学院のインドリア・サメゴ氏は「組織力、資金、人材の
どれを取っても抜きんでている」と主張する。
しかし、加納教授は「今や村でも、10軒に1軒の割合でテレビがあり、都市の
情勢が瞬時に伝わる。農村部でも地滑り現象が起きている」と指摘する。与党が頼り
にしてきた公務員も「選挙に駆り出されなくなって、サバサバした表情をしている」
という。
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