『紀要』第130冊要旨


『紀要』第130冊 西川喜久子 「珠江のデルタの地域社会1——新会県のばあい、続——」 要旨
『紀要』第130冊

西川喜久子 「珠江のデルタの地域社会1——新会県のばあい、続——」 要旨

本稿では咸豊年間の天地会反乱と新会県の郷紳について考察した。乾隆から道光年間、県城内外、及び経済的先進地帯であり紳士層が鼻も厚い東北部では、階層分化と同族結合の空洞化が進行しており、その一方、墟を中心とした地域社会の社会的結合が緊密化していた。この基礎の上に天地会反乱が発生した。知県は県内郷紳の団結と連合を求めたが、宗族の上層勢力は反乱の矛先を清朝地方権力に向かわせることによって“保族・保郷”をはかり、反乱鎮圧の強力な勢力とはならなかった。これと対照的に西南部では、衿蓍層が郷族をよく掌握しており、同族結合が相対的になお強固であった。清朝地方権力を支えたのは県城と西南の郷族であった。
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