| 『紀要』第119冊 |
松岡俊裕 「魯迅の祖父周福清考(三)——その家系、生涯及び人物像について——」要旨 |
| (三)は第三章「科挙受験時代」。第一節「童試受験時代」:当時周家は非常に貧窮していて,教師を招いたり書院(学校)に行かせたりする余力が無かったため、周福清はよく族房の書塾にもぐり込んで傍聴した。彼は母親戴氏の厳しい躾のもとで勉学に励み,ついに太平天国軍が紹興を占拠した前後に童試に及第した。第二節「郷試受験時代」:福清は同治六年丁卯科並補行甲子科浙江省郷試に及第した(妻孫氏の弟孫琥銘も及第)。一説によると,彼は同治四年浙江省郷試も受験したが及第しなかったという。第三節「会試受験時代」:福清は郷試及第の翌年に実施された会試に受からず,方略館謄録を考取した。同治十年辛未科会試に及第して進士となり,更に朝考の成績も良かったので翰林院庶吉士となった。 |
| 『紀要』第119冊 |
末木文美士 現代中国仏教の研究 要旨 |
| 筆者は1988年9ー11月と,1990年10月に中国を訪問し,中国仏教の現状を調査する機械を得た。本論は,この2回の調査をもとに,現代中国仏教の一端を報告するものである。本論文は,3節よりなる。第1節は現代中国仏教の状況を概観する。それはさらに,現代仏教の歴史的展開,仏教協会,出家と受戒,教育,寺院生活,信仰形態の6項に分かれる。第2節は第二次調査で訪れた九華山仏教の現状を論ずる。九華山は安徽省にあり地蔵菩薩の霊山である。第3節は,第二次調査で入国した『九華山百歳宮応身菩薩〓迹記』の紹介である。本書は百歳宮無和尚の事迹を記すとともに,最近往生した人の伝記と奇瑞を記し,現代中国の民衆の信仰を知る興味深い資料である。 |
| 『紀要』第119冊 |
上村勝彦「Dhvanyaaloka訳注(第3—2)」要旨 |
| 筆者はすでに紀要No.107, 113において、Aanandavardhanaの詩論Dhvanyaalokaの第1章と第2章、及び第3章の前半の日本語訳を刊行した。ここでは、そのIII.33(原典p.401以下)を訳出した。この箇所はgu.niibhuuta-vya.ggya(暗示された意味が第二義的である場合)の説明を含み、難解ではあるが重要である。最後に、作者は、dhvaniは説明され得ないとする論者をも批判する。 |