『紀要』第116冊要旨


『紀要』第116冊 友杉孝 「ヤマニ村再訪——変容した農村社会、あるいは労働力市場形成——」要旨
『紀要』第116冊

友杉孝 「ヤマニ村再訪——変容した農村社会、あるいは労働力市場形成——」要旨

1967年から1991年にいたる、タイ中部米作農村の激的変容を記述する。1967年当時、村落生活は基本的には実物経済に依存していた。稲作その他の機会での労働力交換慣行はすでに消失していたが、いまだひとびとに生々しく記憶されていた。しかし、タイ社会全体の経済発展は村落生活にも深刻に影響し、生活の隅々にまで貨幣が入り込んで行きつつあった。1991年、稲作は商品としての米生産に完全に特化していた。テレビその他電器製品が生活必需品であった。若者は出稼ぎに出て村に帰らなくなった。人工造花の賃働きが村にゆきわたり、米作農村というより造花農村といった方がよい状態に変わった。
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『紀要』第116冊 関本照夫「ジャワ人のヒエラルキーと自由−村人の集いの二つの形」要旨
『紀要』第116冊

関本照夫「ジャワ人のヒエラルキーと自由−村人の集いの二つの形」要旨

ジャワ人社会が、洗練と粗野という対概念にもとづいたヒエラキカルな秩序を持っていることは、ジャワ語における敬語法の問題などと関って良く知られている。こうしたヒエラキカルな秩序は、それをところどころで喰い破る自発性・即興性との対比において、はじめて生きた過程として理解することができる。論文は、1970年代中部ジャワ農村でのフィールドワークにもとづき、村で日常的に繰り返し行われる2つの集いの形式を取り上げ、個々人間の相互行為の観察を通じてこのことを論ずるものである。ひとつは家族儀礼に伴う大規模な宴ジャゴン、もうひとつは夜ごと軒先・道ばたで繰り広げられるくつろいだ小さな歓談の場である。
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