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【第182回】北方都市の文学に息づいた命 ――明末の北京城と『帝京景物略』/北方都城的文学生命:明末北京城与《帝京景物略》

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以下の通り、第182回目の東文研・ASNET共催セミナーを開催します。

日時/Date 2018年6月28日(木)17:00-18:00
June 28, 2018 (Thu), 5:00-6:00 p.m.
会場/Venue 東京大学 東洋文化研究所 1階 ロビー
Ground Floor, Institute for Advanced Studies on Asia, The University of Tokyo
報告者/Speaker 馮乃希氏(東京大学東洋文化研究所・訪問研究員)
題名/Title 北方都市の文学に息づいた命 ――明末の北京城と『帝京景物略』

北方都城的文学生命:明末北京城与《帝京景物略》

コメンテーター /Commentator 大木康氏(東京大学東洋文化研究所・教授)
要旨Abstract 本報告は、1635年に成立した筆記小品である『帝京景物略』を中心として、明朝末期に南方の文人が、北京城の歴史的位置づけを如何に書き記し構築していったのかについて論じる。国家の辺境に所在していた都の北京は、十七世紀以降、未曽有の危機に直面していた。にぎやかで風雅な江南と対照しながら、都に滞在していた士人は、「景物」を手掛かりとして、自発的に当地の歴史文化を系統的に整理し記述した。伝統的な都市記録の書と異なり、本書は多くの奇談逸話を記し、言葉が「幽深孤峭」であり、小品文学の模範であるとして、二十世紀初の学者から賞賛を受けた。そのようにして本書は、内包する「歴史性」が絶えず希釈されていったのに対して、「文学性」が徐々に強調されていくことになった。本報告は、『帝京景物略』の成立した明末に遡り、歴史記述の伝統における文学と史学の微妙な境界、及び(地理的な)境域における 「詩文」記述の意義を探ってみたい。
 
本研究以成书于1635年的笔记作品《帝京景物略》为核心资料,讨论明朝末年南方文人对北京城历史身份的书写与构建。十七世纪以降,身处国家边境的首都北京面临空前的社会危机。对照着繁华风流的江南,旅居于此的士人以“景物”为线索,自发地对北都的历史文化进行系统地书写整理。而不同于传统城市史志,本书多载奇闻轶事,语言幽深孤峭,被二十世纪初的学者盛赞为小品文学之典范,其“历史性”被不断稀释,“文学性”则被渐渐强调。本研究将回归作者成书的明末时代,探寻历史书写传统中,文学与史学的微妙边界,探讨疆土“诗文”书写的意义。
使用言語/Language 中国語(通訳付き)/Chinese(Interpretation Available)