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第22回東文研・ASNET共催セミナー「ベトナム・フィールドワーク実習を終えて」 NEW!!

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【報告】第22回東文研・ASNET共催セミナー
「ベトナム・フィールドワーク実習を終えて」

第22回東文研・ASNET共催セミナーが2010年12月16日(木)に開催されました。
以下、報告させていただきます。

日時:2010年12月16日(木)午後5時~6時
場所:東京大学東洋文化研究所 大会議室
テーマ:「ベトナム・フィールドワーク実習を終えて」
報告者:池本幸生(東京大学東洋文化研究所、教授)

発表要旨
 平成22年度「日本・アジア学」冬学期開講科目「アジア研究のフィールドワーク(地域文化研究特別講義Ⅱ)」の一環として、11月20日(土)から28日(日)までベトナムでフィールドワークを実施した。本セミナーでは、池本からその概要について報告し、参加者から4名がそれぞれの関心に沿って報告を行なった。

 平成22年度「アジア研究のフィールドワーク」の趣旨は次の通りである。
文系・理系のさまざまな分野に焦点をあてて、アジアを対象としたフィールドワークの理論と方法と成果を学んでいく。異分野の手法を取り入れたい学生、フィールドワークを行おうとしている学生、ローカルな視点から見たアジアを学びたい学生など、所属を問わず広く歓迎する。講義(安全対策や倫理も含む)を行ったあと、ベトナムで実習(11月予定)を行う。

 フィールド実習に出かける前に、池本、古澤(ASNET)、菅(東文研)、古田(総合文化)、高橋(東文研)が、それぞれの経験に基づいてフィールドワークについて講義を行なった。フィールド実習には、8名の学生(理学系研究科1名、総合文化研究科4名、工学系研究科2名、他大学1名)が参加し、教員は高橋先生と池本、アシスタントとして金氣興さん(学振・海外特別研究員)が参加した。バンメトートでは静岡県立大学の五島文雄先生も加わり、1970年代初めのバンメトートの様子について語ってくれた。ベトナム側からは、ベトナム国家大学 ホーチミン校 人文社会大学 ベトナム・東南アジア研究所(以下、CVSEAS)のタイン・ファン先生とタイグエン大学のホベン先生が参加した。
 カウンターパートをお願いしたCVSEASでは、到着日に挨拶をし、最終日にはフィールド実習の報告を行なった。このときには、Tran Dhin Lam所長をはじめ、われわれの質問に答えられるように、各分野の専門の先生が集まってくれた。
 フィールド実習を行なったダクラク省バンメトート市周辺は、ベトナムでも中心的なコーヒーの産地であると同時に、多くの少数民族の住む地域であり、ここで池本は貧困に関する研究を行なってきた。フィールド実習では、われわれはツーリストとして振舞うことから何が見えてくるかという観点から行動した。ホベン先生のお陰で、我々は少数民族の住宅(そのうち2件はロングハウスであった)で歓迎を受けることになった。その他、象に乗ったり、少数民族の踊りを体験したり、多くの参加者にとって新しい経験をすることができた。
 
 セミナーでは、この経験に基づき、野口翠、池北眞帆、福田吉柱、松下朋子の4人がそれぞれの専門分野から報告を行なった。
[池本幸生]