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第28回東文研・ASNET共催セミナー「普林斯頓修行生活顛末」

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【報告】第28回東文研・ASNET共催セミナー
「普林斯頓修行生活顛末」

第28回東文研・ASNET共催セミナーが2011年4月28日(木)に開催されました。
以下、報告させていただきます。

日時:2011年4月28日(木)17:00-18:00
場所:東京大学東洋文化研究所 大会議室
テーマ:「普林斯頓修行生活顛末」
報告者:森本一夫(東京大学東洋文化研究所西アジア研究部門 准教授)



講演要旨
 「普林斯頓修行生活顛末」と題したこの報告では、2010年1月から2011年1月にかけてのプリンストン大学における在外研究の顛末をお話しした。

 1)狙いと出発まで、2)プリンストン大学とそこでの私の立場、3)何をしたか、4)感じたこと、と、大きく四つに話題を分けてお話ししたが、事前の告知での「なるべく漫談にせず」という決意表明にもかかわらず、かなり漫談めいた話になってしまったのではないかと不安である。

 質疑のなかでも述べたが、研究以外の様々な職務を免除され「修行生活」のみに専心できるという境遇にあった私のプリンストン大学観は、決してバランスのとれたものとは言えない。司会者による最初の質問、「プリンストンにもなにか悪いところはなかったのか」、は、したがって、適確に核心をついた「つっこみ」であったと思う。だが、例えばアジア研究の分野で、「修行生活」を目的として誰かが東大にやってくると仮定するとき、その人も私と同じように東大の礼賛者となって帰っていくはずだと、我々は自信をもって言い切れるであろうか。私のアンバランスな―しかし適度に率直な―体験談や雑感が、聴いてくださった皆さまにとって、東大(アジア学)の研究・教育環境を見つめ直す小さな契機になっていれば幸いである。
[森本一夫]