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【第98回】 劣化からみるデジタルコンテンツ / what about “From 1 to 0? Data Preservation and Accessibility in the Age of Information Ubiquity”

  • 共催セミナー

以下の通り、第98回目の東文研・ASNET共催セミナーを開催しました。
詳細な報告はこちらをご覧ください。
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/news/news.php?id=TueJul290330072014

【日時 / Date】  
2014年7月24日(木)14:00-15:30
2:00 – 3:30 pm on Thursday, 24th July 2014

【会場 / Venue】  
東京大学 東洋文化研究所 3階 大会議室
Main Conference room 303 (3rd floor), Institute for Advanced Studies on Asia, The University of Tokyo

【報告者】  
藤岡 洋 (東洋文化研究所・助教)
HUZIOKA Hiroshi (Assistant Professor, IASA)

【題名 / Title】  
劣化からみるデジタルコンテンツ
what about ‘From 1 to 0? Data Preservation and Accessibility in the Age of Information Ubiquity’

【報告 / report】
 直観的には劣化と結びつかないはずのデジタルコンテンツが、現在では保存と活用という問題に直面するようになってきているのはなぜだろうか。藤岡氏によると、デジタルコンテンツはデジタルメディアとデジタルデータの2つの部分によって構成されるが、その原因はこれら構成要素の解釈に起因する。

 氏はインターネットを環境としてではなくデジタルメディアと捉え直した上で、その発信者と受信者がめまぐるしく入れ替わる性格を指摘。さらにデジタルデータが原理上プログラムとデータとの間で可逆性をもつことを指摘した上で、デジタルコンテンツの一部が活用されず、劣化していく理由は、メディアの劣化にあるのではなく、デジタルデータの構成要素であるプログラムにあるという解釈を披露した。

 そして従来のプログラム設計は意図せずデータ活用に制限をかけていることから、唯一卓越したプログラムという考え方を捨てて、むしろデータ利用者にプログラムへの可能性を開くことがデジタルコンテンツの可能性を広げるという想定の下、API(Application Programing Interface)の設計・公開などを通じて、データを安全かつ幅広く長期的に利用しやすいモデルにしていくことを提議した。

 報告後、約30名の参加者がデジタル化の意味、研究用データベースのあり方、今後のデジタルコンテンツの進化する方向などについて充実した議論が行われた。

【司会 / Chairperson】
中島 隆博 (東洋文化研究所・教授)
NAKAJIMA Takahiro (Professor, IASA)

【使用言語 / Language】
日本語 / Japanese