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◇ No.6 (2013/6/21)
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野元晋・太田(塚田)絵里奈、訳書 「ジョナサン・バーキー著
『イスラームの形成―宗教的アイデンティティーと権威の変遷』」 を語る
原著はイスラームが先行の諸一神教との「創造的対話」の中から徐々に形成された過程を
近世初頭まで辿り、イスラーム史を古代末期以来の中東における宗教的伝統の歴史に
位置づけようとした名著です。
また中世(本文では「中期」)における「宗教的権威」の諸様態に着目し、ウラマーと民衆の
複雑かつ柔軟性に富んだ関係を活写することでイスラーム的伝統発展の内実にも迫る野心的試みは
高い評価を受けました。
日本語版では、作者の意図に寄り添いつつ、一般読者にも読み易い文体となるよう全力を
尽くしました。イスラームや中東の社会に関心のある方のみならず、世界史・宗教史に
興味のある方全てに推薦出来る一冊です。
慶應義塾大学出版会 2013年5月
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766420333/