インドネシア政治経済日誌 2001年2月 |
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2月1日 |
木 |
反大統領派(大統領辞任を要求)と親大統領派(ゴルカル解党を要求)の双方合わせて1万人以上の学生が、国会周辺などでデモ。 |
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長時間の紛糾の末、国会本会議が「2事件調査国会特別委」の調査結果にもとづき、大統領は憲法と汚職撲滅に関する国民協議会決議に違反しているという警告の「覚書」を大統領に提出する決議を採択(賛成
393票、反対4票。民族覚醒党所属の48議員は、抗議の意思表示のために一斉退場)。 |
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月星党中央委が、ハルトノ・マルジョノとアブドゥル・コディル・ジャエラニ(それぞれ党首と書記長への就任を一方的に宣言)の解任を決議。 |
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2月2日 |
金 |
汚職撲滅など改革を妥協を排して加速させる、とグス・ドゥル大統領が声明。 |
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中ジャカルタ地裁が、ボブ・ハサン元インドネシア林業協会(APHI)会長に禁固2年の判決。 |
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インドネシア大学サレンバ・キャンパスで、反大統領派と親大統領派の学生が衝突。 |
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非常事態法案を廃案にすることで、政府と国会が合意。 |
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国軍にクーデタの計画はない、とエンドリアルトノ・スタルト陸軍参謀長とリャミザルド・リャチュドゥ陸軍戦略予備軍司令官が記者団に言明。 |
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エリート間の政争が改革運動と国民の利益を傷つけていると、NGO51団体代表が共同声明。 |
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2月3日 |
土 |
NU指導部は、国会の反大統領行動に対する会員たちの反発をもはや抑えきれないと、ハシム・ムザディ議長が東ジャワのジョンバンで記者団に発言。 |
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リヤス・ラシッド国家機関活性化担当相の辞表を、グス・ドゥル大統領が受理。 |
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大統領支持派と見られる群衆が、東ジャワのシトゥボンドとバニュワンギを結ぶ国道を、街路樹を切り倒して封鎖。 |
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「自由パプア運動」のゲリラがジャヤプラ県ベタフ郡の陸軍特殊部隊駐屯地を襲撃し、軍側に4人、ゲリラ側に1人の死者が出る。 |
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2月4日 |
日 |
グス・ドゥル大統領がアクバル国会議長らと会見し、加熱した政治的空気を沈静させるよう努力することで合意。 |
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汚職事件に関しスハルト元大統領を有罪とする原判決を最高裁が破棄し、首都外への外出禁止を解除。 |
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1975年の東ティモールにおけるオーストラリア人ジャーナリスト5人の殺害事件に関し、国連調査団がユヌス・ヨスフィアー元情報相らの取り調べを要請していると、『シドニー・モーニング・ヘラルド』紙が報道。 |
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2月5日 |
月 |
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2月6日 |
火 |
ゴルカル解党と「オルデ・バル」粉砕を叫ぶ学生数千人が国会へデモ。 |
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ジャワ島東端のバニュワンギへ通じる南北2本の国道が大統領支持派の群衆に封鎖され、バリ行きのフェリーが運休。 |
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「マルク地方の人権侵害調査・仲裁委員会」(KPMM)が、騒乱事件による1999年1月以来の犠牲者総数は、死者3,080人、負傷者4,024人、難民281,365人とする報告書を国家人権委員会に提出。 |
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2月7日 |
水 |
東ジャワ州都スラバヤで大統領支持派の群衆数十万人が州議会前に集結したあと、ゴルカルの州委員会事務所を放火し破壊。同州パスルアン、プロボリンゴ、モジョクルトでもゴルカルの支部事務所が襲撃、破壊される。 |
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アフマッド・ティルトスディロ議長ら最高諮問会議代表数名が正副大統領を訪れ、大統領の行政権を副大統領に委譲する政局不安収拾策を提言。 |
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閣内で非協力を続けるユスリル法相の辞任を求めると、グス・ドゥル大統領が記者団に発言。 |
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「2事件調査国会特別委」の結論は法律的には不備、とムラディ前法相が記者団に発言。 |
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大統領解任手続きを定めた1978年国民協議会決議は違憲と、ハルン・アルラシッド大統領法律顧問が発言。 |
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マフフッド国防相が、エルマヤ・スラディナタ内務省民族統一・国民保護局長(兼パジャジャラン大学教授)を国防研究所(Lemhannas)所長に任命(文官からは最初の任用)。 |
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2月8日 |
木 |
東ジャワ州ンガンジュック、ラモンガンでもゴルカルの支部事務所が襲撃、破壊される。 |
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ゴルカルのアクバル党首が、東ジャワなどでのゴルカル地方支部事務所襲撃は、人民民主党(PRD)と左派学生運動諸派の仕業だと発言。 |
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南ジャカルタ地裁で、ベッドゥ・アマン元食糧庁長官の汚職容疑裁判が始まる。 |
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バンカ・ブリトン州が南スマトラ州から分離、発足。 |
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ランポン州のプランテーション開発のために1998〜2000年に供与されたOECFの借款158億ルピアには不正流用の疑惑があると、同州州議会幹部が発言。 |
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メダン、ジョクジャカルタなど全国各地で、反ゴルカルの散発的デモ。 |
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2月9日 |
金 |
グス・ドゥル大統領が、バハルディン・ロパ駐サウジ大使(開発統一党所属)を法相に任命。 |
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グス・ドゥル大統領がスラバヤに赴き、支持者たちに平穏を保つよう演説。 |
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ドラジャット・ウィボウォなど経済・政治評論家19人が、大統領退陣を求める声明。 |
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マルズキ検事総長が、「2事件調査国会特別委」の報告書は立件の証拠資料にはできないと発言。 |
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2月10日 |
土 |
中部ジャワのムラピ火山が爆発し、噴煙が周辺地域を覆う。 |
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2月11日 |
日 |
ジョクジャカルタのスレマン県で、5千人が大統領支持の祈祷集会。 |
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2月12日 |
月 |
ロパ法相が、判事と法務省職員に収賄を厳禁する命令書を公布。 |
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労働・移住省中ジャワ事務所長が、日本企業で働くインドネシア人研修生は毎月平均、全国で103億ルピア、中ジャワだけで67億ルピアの外貨をもたらしていると発言。 |
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2月13日 |
火 |
ボブ・ハサン元インドネシア林業協会(APHI)会長がサレンバ刑務所に収監される。 |
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1999年総選挙の際に、食糧庁から総額900億ルピアの不正献金がゴルカルに行われたとマフフッド国防相が発言。 |
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2月14日 |
水 |
汚職容疑による取り調べのため、滞米中のギナンジャル元鉱業・エネルギー相に召喚状を送ったと、マルズキ検事総長が記者団に公表。 |
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2月15日 |
木 |
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2月16日 |
金 |
民族覚醒党国会議員団が、「2汚職事件」に関しグス・ドゥル大統領を擁護する白書を公表。 |
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ゴルカル解党を要求するデモ隊約1000人が、ジャカルタの同党本部前で警官隊と衝突。 |
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ジョクジャカルタで反大統領派の学生数千人が、グス・ドゥル大統領のガジャマダ大学訪問を阻止。 |
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ジャワ島の石油パイプライン建設計画に絡む汚職事件捜査で、スハルト元大統領の長女トゥトゥットが容疑者に認定されたと最高検察庁幹部が公表。 |
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ジャカルタ証券取引所爆破事件の犯人がチピナン刑務所から脱獄。 |
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「インドネシア汚職ウォッチ」(ICW)がマルズキ検事総長の更迭を求める声明。 |
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ナトゥナ諸島からシンガポールへの天然ガス輸出を裏付けとする国債10億ドルの発行は、借款供与の前提条件違反と、世銀のジャカルタ事務所長が警告。 |
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2月17日 |
土 |
カルテックス社が、土地収容補償金を要求する住民に道路を閉鎖されたリアウ州のケラン(Kerang)油田の一時操業停止を決定。 |
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2月18日 |
日 |
中カリマンタン州サンピット(Sampit)で、ダヤック人とマドゥラ人の衝突により死者6人。 |
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リアウ州ブンカリス県のスラットパンジャン(Selatpanjang)で騒乱、家屋150件以上が焼失または損壊。 |
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2月19日 |
月 |
最高検察庁がスハルト元大統領の異父弟プロボステジョを、緑化基金490億ルピアの不正流用事件の容疑者に認定。 |
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ギナンジャル元鉱業・エネルギー相はアメリカから帰国予定の7月まで最高検察庁の召喚要求に応じられないが、書面による釈明の用意はある、と顧問弁護士が発表。 |
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大統領は「2汚職事件」について警察に釈明の用意がある、と大統領府報道官が記者団に発言。 |
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2月20日 |
火 |
中カリマンタン州サンピットのマドゥラ人移民数千人が、州都のパランカラヤへ避難のため脱出。 |
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最高検察庁がトゥトゥットを汚職容疑で取り調べ。 |
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最高検察庁がインドネシア銀行の前理事3人を、中銀特別融資(BLBI)不正流用事件容疑者に認定。 |
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2月21日 |
水 |
アフリカ・中東歴訪に先立ち、グス・ドゥル大統領が軍幹部を特別召集して会談。 |
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現実政治に踏み込んだ最高諮問会議提言(7日)は不当であり、無かったものと考えるとグス・ドゥル大統領が公表。 |
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チャンドラ・アスリ社の債務問題解決のために政府が行った提案を丸紅が拒否したと、ゲルンガン銀行再建庁長官が記者団に公表。 |
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会計検査により発見された営農資金融資(KUT)の不正流用は4800億ルピア以上と、ザルカシ・ヌール協同組合・中小企業担当相が国会第3委員会で発言。 |
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2月22日 |
木 |
アフリカ・中東歴訪に出発するグス・ドゥル大統領が、「メガワティ副大統領が留守を預かるので、外遊中の施政に問題はない」とハリム空港で記者団に発言。 |
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メガワティ副大統領の主宰する閣議が、4月1日の石油燃料値上げは予定どおり実施すると決定。 |
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国会特別委員会に提出された放送法案に、「インドネシア・テレビ放送協会」(ATVSI)と「インドネシア新聞・放送連合会」(MPPI)が反対声明。 |
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東ティモールでの外国人記者殺害事件(1975年)には関与せず、とユヌス元情報相とソアレス元東ティモール州知事が国会第1委員会で証言。 |
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2000年度政府予算の不適正支出は総額8兆ルピア余と、ビリー・ユドノ会計検査院長が国会本会議で説明。 |
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2月23日 |
金 |
インドネシア政府とIMFの協議が不調の場合、世銀は借款を停止するとした文書を、ベアード代表事務所長が公表。 |
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中カリマンタン州サンピットに集まったマドゥラ人20000人以上が避難所に孤立。州都パランカラヤへは、ダヤック人約9000人がサンピットから避難。これまでの死者総数は187人。 |
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バンダアチェで、国軍代表と「自由アチェ運動」の軍事指揮官が秘密会談。 |
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ジャカルタ・ジャパン・クラブ(日本商工会議所インドネシア支部)が、プルタミナによる日本企業向け燃料油販売価格大幅値上げに対する抗議の書簡を政府に提出した、と公表。 |
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2月24日 |
土 |
スハルト元大統領がプルタミナ中央病院で虫垂炎の手術を受ける。 |
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2月25日 |
日 |
中カリマンタンの種族間抗争が州都パランカラヤにも飛び火。家屋数百軒が放火され、マドゥラ人住民約5000人が市外の森林に避難。 |
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グス・ドゥル大統領がカイロで、イスラム8か国首脳会議に出席。 |
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ソロで開かれた反共集会で、グス・ドゥル政権の余命は4か月と、アミン国民協議会議長が発言。 |
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2月26日 |
月 |
為替相場が1ドル9800ルピアを越え、過去28か月でルピアの最安値となる。 |
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最高検察庁は「2汚職事件調査国会特別委」委員から事情聴取を行う予定、とマルズキ検事総長が発言。 |
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24日からこの日の夕刻までに、マドゥラ人避難民16000人以上がスラバヤに入港。 |
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インドネシア銀行法案に関する協議チームの設置で政府とIMFが合意。国会幹部は立法府への不当な干渉として反発。 |
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2月27日 |
火 |
中カリマンタン州サンピットで陸軍兵士と警察機動隊員たちが争い、撃ち合い。 |
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2月28日 |
水 |
メガワティ副大統領が、ムハマディヤの代表団との会見の席で、グス・ドゥルへの協力は職務上の範囲内に過ぎないと発言。 |
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プラボウォ元陸軍戦略予備軍司令官が、国会トリサクティ大学学生射殺事件調査特別委に出席し、事件(1998年5月)前後の自身の行動について釈明。 |
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サンピットからのマドゥラ人避難民6000人以上がスマランに入港。 |
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