インドネシア政治経済日誌(2000年4月) |
月日 |
曜日 |
できごと |
4月1日 |
土 |
石油燃料値上げ延期の政府決定を、3か月以内にかぎりIMFも容認するとクイック・キアン・ギー経済調整相が記者団に説明。 |
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スマランで開かれた闘争民主党大会最終日、全会一致でメガワティを党首に再選。書記長にはスチプトが就任。 |
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エディ・スドラジャット正義統一党(PKP)党首(元国防相)が、マルクス・レーニン主義思想を禁じた1966年国民協議会決定の撤回は不要と発言。 |
4月2日 |
日 |
北ジャカルタのマトラマン地区での地域住民同士の抗争が、暴動状態にまで激化。 |
4月3日 |
月 |
最高検察庁の捜査チームがスハルト元大統領を私邸で取り調べたが、医師団の勧告により中断。 |
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アチェ特別区大アチェ県の県庁と県議会で爆弾が爆発。 |
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中ジャワ州クドゥンオンボ地区住民との対話集会に出席したグス・ドゥル大統領が、マルクス・レーニン主義思想を禁じた1966年国民協議会決定25号は、思想の自由を保障した憲法に違反すると発言。 |
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インドネシア民主党(PDI、反メガワティ派)幹部のファティマー・アフマッド元国会副議長を、警察が同党本部襲撃事件(1996年)の証人として取り調べ。 |
4月4日 |
火 |
国民経済審議会(DEN)のエミル・サリム会長がグス・ドゥル大統領に会見し、IMFとの合意書(LoI)にもとづく経済改革実施が遅れている理由を国民に説明すべきだと促す。 |
4月5日 |
水 |
経済改革政策42項目実施に関する政府提案の新日程表にIMF代表団が合意。 |
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1966年国民協議会決定の撤回に反対すると正義党(PK)中央委員会が声明。 |
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アンタラ通信社長にモハンマド・ソバリが就任。パルニ・ハディ前社長は就任式に欠席。 |
4月6日 |
木 |
ラスカル・ジハッド(イスラム聖戦部隊)の数百人が大統領官邸前でデモ。代表6人がグス・ドゥル大統領に会見。 |
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1966年国民協議会決定の当否を論じるよりも経済の再建が先決と、ハシム・ムザディNU議長が発言。 |
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ハルトノ元陸軍参謀長が愛国職業人会(KPB)の設立を宣言。 |
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アチェで警察機動隊のトラックが襲撃され銃撃戦。 |
4月7日 |
金 |
グス・ドゥル大統領がデマック(中部ジャワ)の住民との対話集会で、経済の再建は数ヶ月以内に可能と楽観的見通しを表明。 |
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1966年国民協議会決定25号の撤回に反対するイスラム教徒戦線(FUII)の数千人が大統領官邸へ向けてデモ。 |
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ラスカル・ジハッドのようにマルクの問題を憂慮する者たちを軽視してはいけない、とアミン・ライスが発言。 |
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闘争民主党のパタニアリ・シアハーン国民協議会議員が、同党は正副大統領の国民による直接選挙に賛成しないと表明。 |
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1965年9月30日事件当時のウマル・ダニ空軍大臣が、空軍創立54周年記念パーティーに出席。 |
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歴史家のタウフィック・アブドゥラーがインドネシア科学院(LIPI)院長に就任。 |
4月8日 |
土 |
ジャカルタ陸運業者協会が市内バス料金値上げを要求して4月10日に一斉ストを行うと発表。 |
4月9日 |
日 |
南アフリカ訪問中のグス・ドゥル大統領が同国大統領と会見し、国民和解政策の経験について尋ねる。 |
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スワルディ前中部ジャワ州知事を、メッカ巡礼者宿泊施設建設に絡む汚職容疑で警察が取り調べ。 |
4月10日 |
月 |
対外政府債務21億ドルの返済リスケジューリングを支持するとIMFジャカルタ駐在事務所が表明。 |
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検察チームによるスハルト元大統領取り調べが、健康上の理由からふたたび延期。 |
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ジャカルタの市内バス・スト計画中止。 |
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全国各地で、学校教師が特別手当増額を要求してスト。 |
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北アチェ県ロックスマウェで警察署が手榴弾で襲撃される。 |
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国家安定救援調整庁(Bakorstanas)が解散。 |
4月11日 |
火 |
クディリ(東ジャワ)のグダン・ガラム社煙草工場が、労働者のストが長引いているため一時閉鎖に。 |
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インドネシア民主党(PDI、反メガワティ派)のスルヤディ前党首を、同党本部襲撃事件荷担容疑で国家警察本部が逮捕。 |
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闘争民主党中央委、国民協議会による現行の正副大統領選出方法を堅持する方針を決定。 |
4月12日 |
水 |
最高検察庁が、スハルト元大統領のジャカルタ市外への外出を禁止。 |
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ジャカルタ首都特別区の学校教師数千人が賃上げを要求して大統領官邸と国会へデモ。 |
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ルスディハルジョ警察長官が、ラスカル・ジハッドに武闘訓練の中止を要請すると発言。 |
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バタム島への付加価値税導入計画にシンガポールと日本から苦情が出ていると、ルフット・パンジャイタン駐シンガポール大使が発言。 |
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インドネシア国内の自動車販売台数は、昨年同期に比べて400%増という調査結果をAFP通信が報道。 |
4月13日 |
木 |
スハルト元大統領の裁判を要求する学生の抗議デモが警察と衝突し、投石と火炎瓶で攻撃。 |
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フランスで開催中の第2次パリ・クラブ会議が、インドネシアの対外債務57億ドルのリスケジューリングで合意。 |
4月14日 |
金 |
最高裁判所が、汚職疑惑事件に関連して事務職員1人を免職に。 |
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ジャカルタ首都特別区政府が、5月からの市内バス料金値上げを決定。 |
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グダン・ガラム社が平常通りの操業を再開。 |
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月星党(PBB)国会議員団が、1966年国民協議会決定25号の撤回に反対すると声明。 |
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1966年国民協議会決定25号の撤回には賛成しないが、この問題を利用してグス・ドゥル大統領を失脚させようとする試みには対決すると、ハシム・ムザディNU議長が発言。 |
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ラスカル・ジハッドが刀剣487丁をボゴール市警察に提出して武装解除。 |
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政府はヨーロッパ亡命中の自由アチェ運動最高指導者ハサン・ティロとの会談実現のため努力中と、訪問中のキューバでアルウィ・シハブ外相が発言。 |
4月15日 |
土 |
ジャカルタはじめ各地の港から石油の密輸出が大量に行われていると、コンパス紙が報道。 |
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キューバ訪問中のグス・ドゥル大統領の宿舎をカストロ首相が突然表敬訪問して談笑。 |
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西カリマンタン州カプアス・フル県で、県知事選挙の結果を不服とした群衆が暴動。 |
4月16日 |
日 |
グス・ドゥル大統領が東京で森新首相と会談、インドネシア支援継続の意思を確認。 |
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1966年国民協議会決定25号を撤回するかどうかは国民協議会次第なので、自分の提案に感情的な反応はしないで欲しいと、グス・ドゥル大統領が東京から香港への機内で記者団に説明。 |
4月17日 |
月 |
ボゴール市内で武闘訓練を行っていたラスカル・ジハッドがバスを連ねてジョクジャカルタに移動。 |
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ティヤスノ陸軍参謀長がマランで、正統な政権を違憲的手段で倒そうとする試みに国軍は対決すると記者団に発言。 |
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スシロ・バンバン鉱業・エネルギー相が北ジャカルタの波止場を視察し、石油の密輸出が行われていることを確認。 |
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中部スラウェシのポソで住民同士が衝突し暴動状態に。死者3人。 |
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東ティモール派遣国連平和維持軍司令官が、オーストラリア軍兵士によるインドネシア領内へのスパイ派遣活動についてインドネシア政府に謝罪。 |
4月18日 |
火 |
西部ジャワ各地からジャカルタに集まった学校教師2万人が、賃上げを要求して国会議事堂へデモ。 |
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見解の相違を縮めるためにグス・ドゥル大統領とアミン・ライス国民協議会議長の対話が必要だと、アクバル・タンジュン国会議長が発言。 |
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石油密輸出の背後には国際的シンジケートの暗躍があると、プルタミナ社長が東京で発言。 |
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最高検察庁がスハルト元大統領の資産目録作成のために、長女のトゥトゥット元社会相を喚問して事情聴取。 |
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民主党本部襲撃事件(1996年)加担容疑で、パンチャシラ青年団のヨリス・ラウェヤイ議長を警察中央本部が逮捕。 |
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アミン・ライス国民協議会議長がジョクジャカルタで、グス・ドゥル大統領を覆そうとする策動など存在しないと発言。 |
4月19日 |
水 |
アチェの宗教指導者バンタキア師とその弟子56人の国軍による虐殺事件の軍民合同裁判が、主犯のスジョノ陸軍中佐が逃亡し不在のままバンダアチェで始まる。 |
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国軍指導部会議でウィドド司令官が、社会政治面の活動からの撤退と防衛任務への専念の方針を表明。 |
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司法手続きを経たならばスハルト元大統領の誤りを赦す用意があると、アミン・ライス国民協議会議長が発言。 |
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スハルト元大統領関連財団の基金不正流用疑惑で、最高検察庁がバンバン・トリアトモジョ(次男)を取り調べ。 |
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管理下の不良債権27兆ルピアの整理が最終交渉段階に入ったと、金融再建庁(BPPN)幹部が表明。 |
4月20日 |
木 |
グス・ドゥル大統領とアミン・ライス国民協議会議長が朝食をとりながら会談。 |
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警察中央本部の喚問に応じて出頭したシャムシル・シレガル元国軍情報局長が、自分は民主党本部襲撃事件に加担しておらず、むしろそのために事件後更迭されたと記者団に説明。 |
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マルズキ検事総長が、アディ・アンドヨ元最高裁判事を長とする汚職撲滅合同チームを設置したと公表。 |
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トヨタ・アストラ社が年産3万台を目標とする新工場をカラワンに開設。 |
4月21日 |
金 |
1966年国民協議会決定25号撤回の提案については5月20日の国民覚醒記念日の演説で説明を行う、とグス・ドゥル大統領が発言。 |
4月22日 |
土 |
グス・ドゥル大統領がバンドンの独立記念館でアジア・アフリカ会議45周年記念演説。民族自立と人類の尊厳の精神は今日も不滅と強調。 |
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ジャンビで学校教師1500人が賃上げを求めて州議会にデモ。 |
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政府はヌサンタラ航空機製造会社(IPTN)に対する財政支援をうち切るので、同社は独自に資金調達の努力をしなければならないと、ヒカム調査技術担当相が発言。 |
4月23日 |
日 |
グス・ドゥル大統領がスラバヤで、アミン・ライス国民協議会議長に対してNU会員は立腹しないよう要請すると演説。 |
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政府指導部との協議のためジャカルタを訪れたフィッシャーIMF専務理事が、インドネシアの経済回復に印象づけられていると発言。 |
4月24日 |
月 |
グス・ドゥル大統領が、ラクサマナ投資・国営企業担当相(闘争民主党)とユスフ・カラ商工相(ゴルカル)を経済閣僚間の足並みを揃えるために解任すると発表。 |
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アクバル国会議長と会談したフィッシャーIMF専務理事が、マクロ経済分野での進展に比べ、法の執行の面ではあまり成果が見られないと指摘。 |
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東ティモール問題で法律上の過誤がなかったとしてもウィラント政治治安担当相の復帰はないと、グス・ドゥル大統領が発言。 |
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アブダビの裁判所が、姦通罪で死刑判決を受けていた女性出稼ぎ労働者のカルティニに無罪放免の逆転判決。 |
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タンジュンプリオク事件人権侵害問題調査委員会が、現役の陸軍将官2人から事情聴取。 |
4月25日 |
火 |
閣僚間の足並みを揃えるというだけの理由でユスフ・カラ商工相を解任することにゴルカルは承伏できない、とアクバル同党総裁が発言。 |
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闘争民主党中央委が、閣僚任免に関する大統領の専権を尊重するがラクサマナ投資・国営企業担当相解任は遺憾とするむねを表明。 |
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アチェ州ピディエ県の自由アチェ運動拠点地域で治安部隊が掃討作戦。州都バンダアチェでは警察官2人が射殺される。 |
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ストヨ元内務省社会政治局長を、民主党本部襲撃事件の証人として警察中央本部が事情聴取。 |
4月26日 |
水 |
商工相にルフット・パンジャイタン駐シンガポール大使、投資・国営企業担当相にロジー・ムニール同大臣秘書官を任命。 |
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月星党(PBB)大会、ジャカルタで始まる。1966年国民協議会決定25号撤回提案を大統領が続ければ閣僚(法相)を辞任すると、ユスリル同党党首が表明。 |
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インドネシアの海域内を航行するシンガポールの潜水艦への監視が必要と、グス・ドゥル大統領が発言。 |
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国会・大統領間諮問会議の席上、闘争民主党議員団が2閣僚更迭は政治的動機によるものと追究。 |
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陸軍が、大都市における村落指導兵(バビンサ)制度の廃止を決定。 |
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2000年第1四半期の外国投資認可総額は8億ドルを超えたと、新任のロジー・ムニール投資・国営企業担当相が公表。 |
4月27日 |
木 |
国会・政府間諮問会議(非公開)の席上、グス・ドゥル大統領が2閣僚更迭の理由は職権乱用と説明したことを、エキ・シャフルディン議員(ゴルカル)がマスコミに漏洩。 |
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南スマトラ州パンカルピナンで停電が続くことに怒った住民1500人が国営電力公社(PLN)事務所を襲撃、破壊。 |
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スハルト元大統領が理事長を務めるスーパースマル財団の公文書一式を、最高検察庁が押収。 |
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輸入関税、付加価値税、奢侈品購入税のバタム島への導入を無期延期すると、政府が決定。 |
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不良債権整理の終わったアジア中央銀行(BCA)が、銀行再建庁の管理下からインドネシア銀行の管理下に返還。 |
4月28日 |
金 |
メガワティ闘争民主党党首がゴルカルのアクバル党首と会談。8月の国民協議会総会へ向けた協調体制づくりにつき意見交換。 |
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月星党大会でユスリル党首が、ハビビ前大統領から10億ルピアの資金援助を受けていたことを報告。複数の幹部から反発が出る。 |
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警察中央本部が、民主党本部襲撃事件の証人としてハマミ・ナタ首都警察本部長(当時)とグナワン同副本部長を取り調べ。 |
4月29日 |
土 |
2001年8月にプルタミナとカルテックス社の間の操業契約が切れるプカンバル地区沿岸油田の経営を、リアウ州政府にゆだねるとグス・ドゥル大統領が決定。 |
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警察中央本部が、民主党本部襲撃事件の証人としてザッキー・マカリム・アンワル元国軍情報局長を取り調べ。終了後の記者会見で「責任ある上官が本件につき説明すべきだ」と発言。 |
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グス・ドゥル大統領がジャカルタ訪問中の河野外相と、日イ両国間の協力推進について会談。 |
4月30日 |
日 |
月星党大会最終日。正副大統領直接選挙制推奨を決定。党首選をめぐり紛糾し、採決を翌日に持ち越す。 |
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