イスラーム地域研究5班
研究会報告

cグループ「回儒の著作」研究会第17回例会報告

日時 : 2002年1月19日(土) 14:00〜17:00
場所 : 東京大学文学部アネックス・小会議室
発表者・題目 :  『天方性理』図伝・巻五「終古一息図説」
        中西竜也(京都大学大学院博士課程)

 今回は『天方性理』図伝・巻五の第十一節である「終古一息図説」を読み進めた。 読解の要約は以下の通り。
 本節は前節を承けて終古側から時間を説く。まず終古とは造化を全うする時間であり、その時間の長さは測ることができない。測ることはできな いのだが、長いと言わざるを得ない。そしてその長さの中に無限の理、色、気質があることから、多が顕れることになる。しかし主宰の側から言え ば一息という短い時間の中のできごとにすぎない。また真一の本量には終古もなく、ましてや一息もない。
 問題点は、真宰と真一の関係や、一と一切の関係など、未解決な箇所がかなりあった。前節とも照らし合わせつつ、巻五あるいは『天方性理』全 体からのさらなる検討が必要であろう。また二人の先賢の言葉が挙がっているが、これらも同定が難しい。

(文責:佐藤 実)


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