イスラーム地域研究5班
研究会案内

「イスラーム地域研究」5班cグループ
「比較史の可能性」第2回研究会のお知らせ

 IAS5 班では、今年度より新たに「比較史の可能性」研究会の活動を開始し、6月に第1回研究会を行いました。
 第2回の研究会は、下記のとおり開催することとなりました。皆様のご参加をお待ちしております。 

題目 「契約:神・共同体・個人」
日時 99年10月17日(日)12:30-18:00
場所 東京大学東洋文化研究所 3階大会議室

12:30-14:00 高見澤 磨(東京大学東洋文化研究所、中国法)
「中国において典型的な契約とはいかなるものか−近現代法導入の局面において」

14:15-15:45 西尾 寛治(サバ・マレーシア大学、マレー史)
「ムラユ世界における君臣間の「誓約」:ムラユ語ヒカヤット“スジャラ・ムラユ”の分析を中心に」

16:00-17:30 岩武 昭男(関西学院大学文学部、イラン史)
「イスラーム世界における契約の理論と実態」

17:30-18:00 総括討論
 いずれも、報告は1時間程度、そのあと30分の質疑を行います。会の終了後、簡単な懇親会を予定しております。

 事前に参加の申し込みをいただいた方には、報告要旨(参考文献リスト付)をお送り致します。これは、当日の質疑や討論を活発にするために、多少なりとも頭と体の準備をしたうえで、報告に臨もうという趣旨のものです。

 申し込みは、9月27日までにEメールまたはファクスで5班事務局5jimu@ioc.u-tokyo.ac.jpにご連絡ください。もちろん、当日の飛び入り参加も歓迎いたします。

 当日は、休日のため通常は入口が閉まっています。12:00より12:30の間は、正面入口を開けておきますので、できるだけこの時間帯に入館くださるようにお願いいたします。

 遅れてお出でになる方は、正面入口右側にある内線電話を使って、会場 (内:85899)または5班事務局(内:25883)と連絡をお取り下されば、ドアをお開けいたします。


<契約研究会の趣旨>

三浦 徹(お茶の水女子大学、アラブ・イスラーム史)
契約に関する自身の関心を述べることで、趣旨説明に替えたい。

1.契約社会

 数年来、19世紀後半のダマスクスのイスラーム法廷(シャリーア法廷)の文書台帳 を研究している。これは、売買、賃貸借、債権債務、婚姻、相続といった住民の日常 生活に関わる取引の記録であり、ごく少額の相続や売買でも住民は、証人をたてて契 約を結び、法廷に登記している。