イスラーム地域研究5班
研究会案内

a グループ「知識と社会」研究会
第 3 回研究会のご案内

 IAS 5 班の研究会「知識と社会」では、第 3 回の研究会を以下の要領で開催します。今回の発表者はこれまでの研究会での鋭いコメントが印象深い飯山陽(いいやまあかり)さんです。入学試験との関係などでお忙しい時期になるかとは存じますが、ご参加のほどをよろしくお願い申し上げます。
 東京以外にご在住の方でご参加の意向をお持ちの方は、お早めに森本一夫( morikazu@ioc.u-tokyo.ac.jp )までご連絡下さい。
 なお、今回の研究会は、大阪で開催されます IAS 公開講演会と日程が重なってしまいました。皆様のご不便に対しお詫び申し上げます。


発表者: 飯山陽(東京大学大学院人文社会系研究科修士課程:イスラム学)

論題 : 「暴動の真相:シナゴーグは何故破壊されたか?」

日時 : 2000 年 1 月 29 日(土)14 時 30 分から 17 時 00 分まで
       (発表 1 時間 20 分、討論 1 時間)

場所 : 東京大学東洋文化研究所・ 3 階大会議室
発表要旨:
 イスラーム世界においては、法学者の発行するファトワー(法的見解)が、政策や革命・暴動などを正当化する役割をしばしば果たしてきた。だが、15世紀末にマグリブのある町で起こったムスリムによるシナゴーグ破壊事件に関しては、事件発生以前に、シナゴーグ破壊に賛成するファトワーと反対するファトワーの両方が発行されていた。従来この暴動は、当時のマグリブ社会の異教徒に対する不寛容性の象徴として語られてきたが、本発表ではファトワーと関連する他資料の分析により、この暴動の真相に迫ることを試みる。その過程で、法学者の知的営為の所産であるファトワーと現実社会との接点が浮き彫りにされることとなるだろう。


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