ASNET -東京大学 日本・アジアに関する教育研究ネットワーク--

アジアの研究機関との連携


 ASNETが主導的な役割を果たし日本とタイ、ラオス、カンボジア、ベトナムの研究機関およびアジア研究者との交流ネットワークを築き、「ケイパビリティ・アプローチによる貧困の学際的研究」に関わる共同研究と国際セミナーを実施しています。
 この活動は日本学術振興会『アジア・アフリカ学術基盤形成事業』のサポートを受けています。

日本学術振興会『アジア・アフリカ学術基盤形成事業』

 ASNET機構は、JSPS『アジア・アフリカ学術基盤形成事業』のサポートのもと「ケイパビリティ・アプローチによる貧困の学際的研究」(コーディネーター:池本幸生・東文研/ASNET機構教授)を実施しています。

「ケイパビリティ・アプローチによる貧困の学際的研究」の目的

 本事業の目的は、ASNETが構築してきた研究者ネットワークと教育プログラムを研究活動に活用することを目的とし、そのために多様な分野の研究者が参加しうる貧困問題という学際的課題に取り組もうとするものである。

 貧困問題は、1990年代から発展途上国の開発課題の中心に位置付けられてきた。本事業の対象となるベトナム・カンボジア・ラオスはアセアン諸国内の後発国であり、貧困問題は深刻で、アセアン域内格差の重要な課題となっている。それに対して、タイはアセアンの中では先進国であるが、近年、しばしば政治暴動が報じられているように、国内の格差問題(相対的貧困)は深刻である。

 これらの国々の貧困を総合的に捉えるためには、経済的理解だけでなく、健康、教育から政治参加までを含む包括的なアプローチが有効である。それは、アマルティア・センがケイパビリティ・アプローチとして提唱している方法であり、国際援助の分野では人間開発アプローチとして主流の考え方となっているものである。

 本事業では、日本側コーディネーターとコアメンバーがこれまで実施してきたベトナムおよびタイにおける貧困・地域開発・健康に関する研究によって構築してきたネットワークを基礎として、まだ十分に研究体制の整っていないラオスとカンボジアにそのネットワークを広げ、この地域における貧困研究を促進し、さらにラオス・カンボジアにおける学術研究の水準の向上に寄与することを目的とする。

日本側のコアメンバー

池本幸生(東京大学東洋文化研究所/ASNET機構・教授・本事業のコーディネーター)
古田元夫(東京大学大学院総合文化研究科/ASNET機構長・教授)
渡辺知保(東京大学大学院医学系研究科・教授)
佐藤安信(東京大学大学院総合文化研究科・教授)
卯田宗平(東京大学日本・アジアに関する教育研究ネットワーク)

カウンターパートの拠点名

ベトナム:ベトナム国立大学ホーチミン校
ラオス:国立政治行政学院
カンボジア:王立農業大学(RUA)、王立プノンペン大学
タイ:コンケン大学

事業の実施報告