後藤絵美『イスラームってなに? イスラームのおしえ』を語る
イスラーム教に関心を抱いて20年以上経ちますが、今でも「イスラームってなに?」という疑問を持ち続けています。イスラームとは、それだけ謎と魅力に満ちたよい研究対象といえるのかもしれません。本書は、そうして日々首を傾げたり、遠い眼をしたりしている研究者が、これまで得てきた知識のうち、自分自身の中で「腑に落ちたもの」を集めて構成した一冊です。
預言者の風刺画問題が度々ニュースになりますが、預言者の笑顔がどんなだったのかを生き生きと表現した記述があると知った時には、心地よい驚きを感じました。そうした表現の中に、人々の信仰や、感情、理性のキラメキが読み取れるように思ったからです。
本書はシリーズの第一巻です。巻ごとに著者が変わります。二巻以降もお楽しみに。
長沢栄治監修、かもがわ出版、2017年8月
http://www.ioc.u-tokyo.ac.jp/news/pub170906.html