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自著を語る

韓国農村社会の歴史民族誌:産業化過程でのフィールドワーク再考

本田洋(著)

本田洋『韓国農村社会の歴史民族誌:産業化過程でのフィールドワーク再考』を語る

本書は,1980年代末に韓国内陸部のある農村で行ったフィールドワークの資料を、長期的な持続性と時代的な諸条件の交錯する社会経済的諸脈絡のなかに位置づけなおして整理・分析した、一種の民族誌的論考です。現在学的な社会人類学・民族誌研究と歴史との対話(本書で「歴史民族誌」とよぶ方法)を通して,産業化過程で大きく変動する当時の農村社会についての微視的な理解を試みるとともに,韓国社会に暮らす人たちの生き方を特徴づける流動性・創発性と持続性との独特な均衡の解明を模索した著作といえるかと思います。古典的な農村社会研究と変動する現代社会を架橋する試みとしてお読みいただければ幸いです。

風響社、2016年10月
http://www.fukyo.co.jp/book/b253170.html