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自著を語る

講座 東アジアの知識人 1 文明と伝統社会

趙 景達 (編集), 原田 敬一 (編集), 村田 雄二郎 (編集), 安田 常雄 (編集)

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◇ No.16  (2013/11/22)
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村田雄二郎 『講座東アジアの知識人』 全5巻を語る
 
一国史を超えよ、という声が聞かれるようになって、久しい。だが、言うは易く、行うは難し。
ならば、相乗り、助け合いの協同作業がある。

というわけで、日本史と朝鮮史、中国史の研究者が会して、近代東アジアの知識人列伝を編んだ。
本書では、東アジアとは何か、知識人とは何か、という「そもそも」論はあまりしていない。

かわりに、思想や制度がじっさいに動いていく「場」として、東アジアを設定した。だから、
ベトナム人もモンゴル人もチベット人も、さらにはアメリカ人もカナダ人も「東アジア」の知識人に
列せられている。

また、さまざまな知の創造・伝達に関わる人たちを、広く知識人と捉えた。だから、反日義兵、小学
教師から演歌師、宗教家など、はなはだ「知識人」らしからぬ人々にも伝が立てられている。

読者には、国の枠をいったん解きほどいて、リシャッフルした近代東アジア「列伝」の世界を自在に
読み解いていただきたい。

『講座東アジアの知識人』 有志舎 2013年9月より
http://www18.ocn.ne.jp/~yushisha/newpage88.html